2011年1 月14日18:00
日立製作所は1月14日、同社のシンクライアントソリューションである「セキュアクライアントソリューション」が、ジェーシービー(JCB)の業務オフショア化を実現するシンクライアントシステムとして採用され、稼働したと発表した。
現在のクレジットカード業界は、業界再編やサービス形態の拡充など大きな変革期を迎えており、投資コストの低減や最適化が急務となっている。こうした中、JCBでは、業務コスト削減により事業競争力をさらに強化するため、2008年度から中国・大連への業務オフショア化による業務処理体制の再構築を進めてきた。さらに、今回、JCBカード入会希望者から送られたカード入会申込書のデータ作成、システム登録・精査など、業務スタッフ100名規模のクレジットカード発行業務を中国・大連へ移管した。今回の業務移管にあたり、顧客データ保護やセキュリティの観点から、日立のシンクライアントシステムを導入したという。
具体的には、今回稼動開始したシンクライアントシステムは、国内のデータセンタに設置した日立のブレードPC「FLORA bd500」を中国・大連の業務スタッフが利用するシンクライアント端末からセキュアなネットワークを介して利用可能とするシステムである。システムの運用にあたっては、業務スタッフの入れ替わりや増員などにも柔軟に対応するため、各スタッフ専用のブレードPCを保持する方式ではなく、管理サーバでPCのリソースを共有化・一元管理し、空きブレードPCを効率的に割当・活用できる「動的割当」の方式を採用している。また、顧客情報が保存されたブレードPCは国内のデータセンタで厳重に管理しているため、現地シンクライアント端末から情報漏えいが発生するリスクがなく、顧客情報の海外流出を防止する。さらに、ソフトウェアのアップデートやバックアップなどのPC運用管理を国内データセンタで一括して行えるため、システム運用管理コストの負荷を軽減できるという。