2024年4月19日10:51
ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は、2024年4月15日に記者説明会を開催し、「大阪エリア振興プロジェクト」を開始すると発表した。同プロジェクトではVisaのタッチ決済とデータの利活用により大阪の消費者の決済体験や利便性向上、中小の地域加盟店の持続的成長を支援するという。Visaでは、4月17日から大阪府限定のVisaのタッチ決済キャッシュバックキャンペーンを開始している。
「大阪エリア振興プロジェクト」発足
Visaのタッチ決済でキャッシュバック
Visaでは、2024年4月17日より、住民の生活の質の向上、訪日外国人の利便性向上、地域店舗の生産性向上と持続的な事業拡大など、決済イノベーションによる経済活性化を図る「大阪エリア振興プロジェクト」を発足した。ビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役社長 シータン・キトニー氏は「これは複数年にわたる取り組みで、大阪および日本の他の地域で決済エコシステムを成長させることを目指しています」と説明する。
大阪を選んだ理由は3つの要素があるという。Visaでは、大阪府および公益財団法人大阪観光局と「観光振興・キャッシュレス決済の推進に関する連携協定」を締結し、2019年12月以来、大阪の観光、キャッシュレスの促進を推進している。大阪観光局の発表によると2023年に大阪府を訪れたインバウンド(訪日外国人)客の消費総額は過去最高となる9210億円を記録した。
大阪では、IGLTA(The International LGBTQ+ Travel Association) が毎年世界各地で開催する LGBTQ 旅行業団体の世界総会「IGLTA 世界総会 2024」が2024年10月23日~26日まで開催される。2025年には、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)も開催される。
大阪の人口動態の規模と影響として、大阪はZ世代の割合が全国平均の14.5%と比較して20%と高くなっている。また、日本人口の7%を占める大都市だ。
また、データ連携にも取り組むという。データコラボレーションを活用して、革新的なソリューションの開発を促進させる。Visaでは、大阪広域データ連携基盤(ORDEN)との連携を通じて、大阪府域における購買データのマーケティングへの活用のほか、商品やアプリの開発といったイノベーション創出など地域経済の活性化、観光施策や経済活性化策の立案や検証(EBPM)モデルの策定に貢献できると考えている。
そして、大阪のさまざまなステークホルダーとパートナーシップを結び、共同で取り組みを行うそうだ。
4月17日より、「大阪限定 Visaのタッチ決済キャッシュバックキャンペーン」を実施。第一弾として、大阪府内のスーパー「サンディ」「万代」全店でVisaカードをタッチ決済で利用すると、もれなく30%(最大500円)がキャッシュバックされる。
また、大阪府限定のVisaのタッチ決済キャッシュバックキャンペーンに大阪府民代表として、キャンペーン応援キャラクターに海原やすよ ともこさんを起用する。
1億2,000万枚以上の対応カード発行
約3分の1のVisa取引が非接触決済に
キトニー氏は「日本は世界と歩調を合わせるだけでなく、世界が羨むような独自の価値創造イノベーションを推進し、消費者、ビジネスユーザー、加盟店にとってより良い日本をつくっていきたいと強く信じています。そのためには、日本の決済システムを進化させ続ける必要があります」と話す。
Visaでは、より安全で、より速く、真に革新的な決済サービスを生み出し、消費者の日常生活の中心に据えることを目指している。その実現に向けて、第一にエコシステムを形成することが重要だという。主要な決済ネットワークとして、Visaの役割はこのプロセスを促進させることだ。Visaでは、パートナーと協力して、Visaのタッチ決済などの標準技術の普及を推進している。
また、人々の生活をより豊かにする手助けをする。Visaでは、個人や企業に手間のかからないソリューションを提供するシームレスでスマートな決済体験を提供することを目指している。一貫性のあるシームレスな決済体験を通じて、買い物からモビリティまで、日常のアクティビティをより便利にすることにまで及ぶ。
非接触決済は交通機関などのソリューションを提供することで、通勤を簡素化するだけでなく、日常生活を便利にさせることが可能だ。また、中核となる決済サービスにとどまらず、ロイヤルティなど、さまざまなユニークなサービスを通じて価値を付加している。
Visaでは法人向けサービスの拡充にも力を入れる。例えば、NFC対応のスマートフォンやタブレットを決済端末に変える非接触型ソリューション「Tap to Phone」では、汎用デバイスを活用して加盟店が決済を受け入れることが可能だ。同ソリューションでは、世界中の何百万人もの零細販売者に新たな決済機会を提供できる。日本では、2022年11月以降、Tap to Phoneが小規模加盟店に導入され、同決済技術の利用が大幅に増加しているとした。
カードとモバイルの双方の非接触型テクノロジーは、消費者と加盟店をつなぐ魅力的な方法を提供するという。特に今日のデジタル時代では、モバイルデバイスは人々の日常生活において、利便性、スピード、セキュリティのメリットを提供できるという。モバイルをタップするだけで、迅速かつ安全に取引を完了し、ショッピング体験を向上させることが可能だ。加盟店は、非接触型のモバイル決済とカード決済の両方を提供することで、チェックアウト時間の短縮、顧客満足度の向上、売上の増加につながる可能性がある。
モバイルテクノロジーは取引を簡素化するだけでなく、よりシームレスでポジティブな決済体験を生み出すことで、消費者と加盟店のつながりを強化できる。キトニー氏は「非接触型のモバイル決済や車載決済は、消費者の利便性と加盟店の効率性の両方を念頭に置いて設計された決済の進化を表しています」と説明する。
現在、日本ではタッチ決済が成長を続けている。2023年12月現在、市場には1億2,000万枚以上のVisaのタッチ決済対応カードが発行されている。また、非接触型取引に対する消費者の意識は約70%と高くなっている。対面環境では、現在、約3分の1のVisa取引が非接触決済によって行われており、急速に成長している。約3年前は、10件に1件の取引だったが、「クライアント、パートナーによる驚くべき成果です」とキトニー氏は述べる。
大阪をグローバルモデルに
日本の決済の可能性を最大限に引き出す
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