ダイニーがAdyenと提携して飲食店特化の決済サービスを提供する理由とは?

2024年9月20日9:16

飲食店向けのモバイルオーダーやID-POSを中心としたサービスを開発・提供するダイニーは、2024年9月19日に記者説明会を開催し、決済プラットフォームを提供するAdyen Japanと飲食店向けに「統合オーダー・決済ソリューション」で提携すると発表した。ダイニーは、飲食店に特化した決済サービス「ダイニーキャッシュレス」の提供を開始した。

池谷貴

ダイニー 代表取締役 山田真央氏(右)とAdyen 日本カントリーマネージャー アダム・ブラウンステイン氏

飲食店は中間業者に支払うコスト軽減へ
VisaとMastercardは限定で手数料1.98%に

ダイニーは、2018年から飲食店の売上アップに貢献する「ダイニーPOSレジ」や「ダイニーモバイルオーダー」といったソリューションを提供している。飲食店向けには、POS・ハンディ、キッチンディスプレイ、予約台帳、オンライン決済などのサービスを展開している。また、利用者が店舗のテーブルのQRコードを読み込み、スマートフォンから注文ができるモバイルオーダーサービスも提供している。現在、3,000店舗の飲食店が同社サービスを利用しているそうだ。その中で、日本の決済手数料に関しての悩みがあることが把握できたという。日本の決済業界では、多くのプレイヤーが存在する多層構造で存在している。飲食店は中間業者に支払うコストが発生しており、利益が圧迫されていたという。

ダイニー 代表取締役 山田真央氏は「Adyenと組むことで多層構造を是正していく。加盟店を管理するコストが非常に多かったんですが、我々が加盟店管理の一部の領域を担当し、テクノロジーとAIの力を活用することでその負担を減らしていきます。それにより飲食店にとって喜ばしい手数料が提供できます」と説明する。従来、ペイメントサービスプロバイダ(PSP)やアクワイアラが負担した加盟店管理コストを削減することで、三方良しの体制を実現するそうだ。

「ダイニーキャッシュレス」は、業界最安水準の決済手数料でサービスを提供するという。通常VisaとMastercardは2.48%の決済手数料は、先着2,000店舗限定で1.98%となる「ダイニーキャッシュレス手数料割引キャンペーン」を実施する。「最初はマーケティングコストとして持ち出しで展開する意思決定をしています」(山田氏)。また、JCB、Diners Clubは3.1%で提供する。導入時の初期費用、月額費用はかからず、飲食店は従来の決済手数料よりも低い利率で決済を提供でき、オーダーから決済までをシームレスに管理することが可能だという。入金サイクルは月6回 、月2回から選択できる。

オーダーと決済をワンストップで提供へ
Adyenと提携した3つの理由

ダイニーは「ダイニーキャッシュレス」サービスにAdyenの決済プラットフォームを統合し、APIを通じてオフラインとオンラインの両方の決済に対応することを決定した。対面決済を希望店舗は、ダイニーを通じてAdyenの最新のPOS端末である「AMS1」と「S1F2」をプラグアンドプレイの状態で提供する。飲食店はダイニーと契約することで、オーダーシステムと決済システムの両方をワンストップソリューションとして利用可能だという。

山田氏はAdyenと連携した理由として3つを挙げた。1つ目が外食業界と同社にAdyenからリスペクトをしてもらったからだ。2つ目は、フェアで透明性の高いプライシングでサービスを提供していることだという。3つ目が正しい決済手数料を飲食業界に適用することに対して、ベストなレートを探すことをサポートしてもらっている。

Adyen 日本カントリーマネージャー アダム・ブラウンステイン氏は「多くの加盟店が決済技術を基本的にコストと感じていた一方で、実際にはテクノロジーを通じて道を切り開くことができると信じています」と話す。同社では、「ユニファイドコマース」として、オンラインとオフラインの決済フローを一本化している。また、単一プラットフォームにより、すべての購入者情報を1つの画面で管理し、決済を最適化できるという。ゲートウェイに加え、加盟店契約や管理を行うアクワイアラ、決済取引時の不正防止の技術も提供している点が強みとなる。また、同社の管理画面では、商品の販売状況などマーケティングの洞察を得ることができるという。

Adyenと契約後の飲食店の反響は?
電子マネーやQRコード決済提供のロードマップ

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