AIを活用した訪日観光客向け観光案内サービス実証実験(Spiral.AI/ヤマトHD)

2024年11月20日7:56

大規模言語モデルなどのAI技術を用いたサービスの開発を行うSpiral.AIと、ヤマトホールディングス(ヤマトHD)は、2024年11月12日~12月8日まで、多言語に対応した生成AIキャラクターを活用し、訪日観光客の快適な旅行の実現と施設スタッフの業務負荷軽減を検証する実証実験を羽田空港で実施している。

実証実験のイメージ(Spiral.AI/ヤマトHD)

Spiral.AIは、大規模言語モデルなどのAI技術を用いたサービスの開発の社会実装と普及に向け、コミュニケーション領域でAIプロダクトを開発している。ヤマトHDは、グローバル・ブレインと共同で運用しているコーポレートベンチャーキャピタルファンド「KURONEKO Innovation Fund(以下、KIF)」を通じて、2023年9月にSpiral.AIに出資を実行した。KIFでは、出資先のスタートアップにヤマトグループの経営資源を活用してもらうことで、相互の事業成長や新たな価値を協創することを目指している。

昨今、日本における観光需要は増加している一方、交通機関や観光の案内表記、店舗での接客は日本語が中心となっている。訪日観光客の多くは日本語が理解できず「言語の壁」を感じることで、観光体験の満足度低下につながっている。また、空港内の施設や観光スポットなどでは、受付や案内を多言語で対応する必要があることから、スタッフの業務負荷が重くなるなどの問題が生じているという。

このほど両社は、多言語に対応した生成AIキャラクターを活用し、訪日観光客の快適な旅行の実現と施設スタッフの業務負荷軽減を目指し、実証実験を開始した。

英語や中国語など多言語に対応した生成AI技術を用いた独自の対話が可能なキャラクター「ケンゾウ」が表示されるサイネージを用いて、羽田空港の施設案内や鉄道の利用案内、宅急便の発送・手荷物の一時預かりサービスの案内などを通じて、快適な観光体験を提供する。また、生成AIキャラクターの活用が与えるマーケティング指標への効果測定も行う。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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