2026年7月7日8:37
2026年4月から42年ぶりに食事補助の非課税上限枠が引き上げられ、従業員の実質手取りアップ施策として話題になっている。この機をビジネスチャンスと捉え、専用ICカードやアプリで食の福利厚生プラットフォームを運営する各社がさまざまな戦略を展開。有力企業との業務提携による新サービス導入をはじめ、保険会社や地方銀行を通じたマーケット拡大に乗り出した。
記事のポイント! ①税制改正で導入率を底上げへ ②「チケットレストラン」の導入が中小企業にも拡大 ③「証憑スキャン」のオプション提供にも着手 ④miiveは専用Visaカードと専用アプリ活用 ⑤福利厚生大手のベネフィット・ワンと提携 ⑥HQはクレジットカード「HQカード」活用 ⑦銀行との提携など地方の販売網の強化へ ⑧サービス浸透はキャッシュレス市場拡大に貢献へ
42年ぶりの税制改正で手取りが増える「第3の賃上げ」と話題に
企業が負担する食事補助の非課税上限額はこれまで月額3,500円(税別)だったが、税制改正により2026年4月から月額7,500円(税別)と大幅に引き上げられた。
欧州をはじめとする諸外国における食事補助の非課税枠が月額約2万5千円〜3万円と高水準なのに比べ、日本では42年間にわたり月額3,500円に据え置かれてきた。こういった状態も影響し、国内の食事補助導入率は14%程度(※)と低迷。今回の税制改正は、まさに導入率を底上げできる好機といえるだろう。 (※)エデンレッドジャパン推定値
食品の大幅な値上がりが続く中での税制改革は、企業の税負担を抑えながら従業員の手取りを増やせる「第3の賃上げ」といわれる。そこで注目されているのが、提携店舗で利用できる決済用カードやアプリを従業員に配布し、食事代の一部を企業が負担する仕組みの食事補助だ。「街中が社食に」の言葉通り、全国の提携飲食店においてキャッシュレスで利用できる。
専用のICカードとアプリで決済する「チケットレストラン」は導入企業が急増
食の福利厚生サービス「チケットレストラン」を手がけるエデンレッドジャパンは今回の税制改革を機に、他企業との協業や新サービスに乗り出した。
「チケットレストラン」は飲食店やコンビニで利用できるキャッシュレス決済型の食事補助サービスで、レジ端末機に専用ICカード(NTTドコモのiD)をかざせば決済が完了。残高や利用履歴はPCやスマートフォンアプリで確認できる。4,000社以上がサービスを導入し、利用施設は全国25万店以上、利用者数は30万人以上に達する。2025年の新規導入企業数は2021年比で約12.6倍まで大幅に伸びた。
2026年4月には福利厚生業界大手のベネフィット・ワンおよびイーウェルと連携し、「チケットレストラン」の提供を開始した。両社の提携先企業に向け、カード発行代金や配送代金、初期設定費用などの初期費用を無料にする期間限定優待プランを用意。提携先以外でも、期間中の新規申し込み企業の手数料を年内は最大50%引きにするなど、幅広い企業の導入を促す。
さらに4月から、「チケットレストラン」の公式アプリ内にてユーザー向けに「食のクーポン」の配信サービスを開始。松屋フーズホールディングス、吉野家、セブン‐イレブン・ジャパンなど計7社12ブランドの割引クーポンをQRコードなどで提供する。
また4月には公式アプリの新機能として、AIが購入商品を見える化するレシート自動解析機能「証憑スキャン」のオプション提供にも着手。従業員がレシートを撮影・アップロードするだけでAIが購入内容を自動解析するもので、企業担当者が行う監査工数の大幅削減につながる。
今回の税制改正による効果も明らかにした。同社が5月に発表した「チケットレストラン」の4月の新規契約数は前年比約1.7倍と拡大。そのうち82%が100名以下の中小企業であり、税制改正が食事補助導入を後押ししたことがうかがえる。

食事補助に絞ったサービスで浸透を図る「miive」
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