三井住友カードが加盟店の販促支援としてプリペイドカード事業に参入

2011年10月12日8:00

三井住友カードが加盟店の販促支援としてプリペイドカード事業に参入
第一弾として「TULLY’S CARD」の発行を11月からスタート

三井住友カードは、タリーズコーヒージャパンと提携し、国内のタリーズコーヒー約430店舗で利用できる磁気式のプリペイドカード「TULLY’S CARD(タリーズカード)」の発行を2011年11月2日に開始する。カード会社が大手加盟店で利用できるプリペイドカードを発行するケースはこれまであまりなく、飲食店との提携は初となる。三井住友カードのプリペイドカード事業進出の経緯について話を聞いた。

「TULLY’S CARD」でリピーター確保と集計作業の効率化を実現

ドリンク購入ごとに10円の割引特典を実施

三井住友カードでは、従来から紙の商品券の第三者型発行を行っており、サーバ管理型のプリペイドカード事業への参入は数年前から検討していた。2010年4月には、資金決済法が施行され、プリペイドカード発行会社は、破綻時のリスクに備えて未使用残高の一部を発行保証金として保全するよう義務づけられた。同社は、資金移動業者に登録を行い、タリーズコーヒーに代わりプリペイドカードの発行者となることで、資金決済法で定める当局届出、発行保証金の供託などの対応を行う。発行者業務を三井住友カードが行うため、タリーズコーヒーは自社で発行するよりも大幅に事務負担を軽減することが可能になる。

国内のタリーズコーヒー約430店舗で利用できる磁気式のプリペイドカード「TULLY’S CARD」

参入第一弾としてタリーズコーヒーと提携して発行する「TULLY’S CARD」は、残高をサーバで管理するタイプのプリペイドカード。現金で繰り返しチャージすることができ、支払い時に小銭のやりとりが不要となる。入金金額は1,000円単位で残高上限は、2万円。入金方法は、店頭での現金支払いで再入金が可能だ。また、利用者はタリーズカードでのドリンク購入ごとに10円の割引特典を受けられるのが特徴となっている。

また、サーバ管理型は、顧客のIDを活用し、CRM活動に役立てることが可能となるため、顧客サービスの向上にも役立てることができる点も特徴となっている。

三井住友カードでは、提携カード発行先などに対し、ポイントカードシステムの支援も行っているが、事前に金額を入金するサーバ管理型のプリペイドカードは、「顧客の来店の動機づけとなり、ロイヤルカスタマーの育成に効果がある」と考えている。

TULLY’S CARDの有効期限は2年間となっており、失効したバリューは退蔵益となるが、同社では「退蔵益を期待してはいない。むしろ、使い切っていただくか、繰り返し利用していただくことが、タリーズコーヒーとの協業においては理想」と考えている。

クレジットカードのポイント交換景品としても展開

換算率は、同社が発行者とならない同様のプリペイド商品より優遇

三井住友カード 営業開発事業部 中井健悟氏

また、TULLY’S CARDは同社のクレジットカードのポイントプログラム「ワールドプレゼント」の交換景品として、11月2日からラインアップされる予定となっている。「ポイントの交換先として商品券へのニーズは高いため、お客様に喜ばれる人気商品になると期待しています」と三井住友カード 営業開発事業部 中井健悟氏は話す。同社では複数の商品券を交換景品としてラインアップしているが、「弊社が発行するプリペイドカードに関しては、他社発行の商品券に比べてポイント交換レートを優遇するなどのメリットを打ち出していきたい」(三井住友カード 営業開発事業部 佐々木丈也氏)としている。

「プリペイドカードビジネスの利益率は決して高いとは言えませんが、TULLY’S CARDのように現金の置き換わりとして発行する明確なコンセプトがあれば、それなりの収益は見込めると試算しています」(中井氏)

プリペイド導入を機にクレジット/電子マネー導入につなげる

「総合決済ソリューション」の1つとして提案へ

三井住友カードとしては、プリペイドカードの発行をベースに、システムを提供する加盟店との関係をさらに深めていくことも考えている。

例えば、プリペイドカードの発行を通じて、カード会員を送客することはもちろん、クレジットカードや電子マネーの加盟店になってもらうことも提案していきたいとしている。特にカフェはレジスピードが求められるため、電子マネーの導入はメリットがあると考えているようだ。

「今後は、ギフトカードとしての贈呈用や、企業のインセンティブとして大量に配布するといった施策もクライアントからの要望があれば行っていく方針です。また、GMS、家電量販店、コンビニエンスストアなどに展開するギフト・プリペイドカードの他店舗販売についても検討していきたいです」(中井氏)

現在、複数の企業からプリペイドカード導入の反応があるようだ。手数料ベースのビジネスのため、収益的にはそれほど大きな目標を立てているわけではないが、加盟店との取引複合化を目指し「総合決済ソリューション」の1つとして、積極的に提案していく方針だ。

TULLY’S CARDの発行枚数については非公表だが、「タリーズコーヒー様により割引特典が付与されており利用するメリットが大きいこと、オフィスなどがある施設内に多くの店舗を構えておりリピーターが多いことから、多くのお客様にカードをご利用いただけると考えています」と中井氏は自信を見せている。

⇒⇒⇒特集トップへ

関連記事

ペイメントニュース最新情報

ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP