2026年10月22日8:00(JST)
【日本】ジェーシービー(JCB)の法人向けカードが躍進を続けている。企業間決済や経費の精算等、BtoBにまつわる支払いは徐々にカード払いへと移行する流れにあるとはいえ、その伸びは鈍化傾向にあるという。その中にあって、JCBが依然、2ケタ台の成長を維持している理由はどこにあるのか? 同社 法人ソリューション開発部長 中村 謙志氏に聞いた。

法人カード発行枚数は全体の4%弱にとどまる。 ニーズはあれど、鈍い伸び
日本クレジット協会がまとめた「日本のクレジット統計2025年版」によると、2025年3月末のクレジットカード発行枚数3億2,057万枚のうち、法人カードは1,214万枚で、全体の3.8%にとどまる。カード会社15社において法人カードで決済された取扱高の合計は、6兆3,240億円(「法人カード利用動向調査2025年」キャッシュレス推進協議会)。この数字は、企業間取引1,000兆円、経費の取扱い300兆円ともいわれる日本のBtoB決済市場の1%にも満たない。法人カードの“伸びしろ”は、計り知れない。
しかし前掲の「日本のクレジット統計2025年版」の発行枚数の推移を見ると、法人カードは総じて伸長傾向にあるものの、2024年3月末には前年比3.6%の減少。2025年3月末に3.8%増と振り幅を戻したが、微増にとどまる。この中でJCBの法人カードは、ここ何年間も前年比2ケタ増と、躍進を続けている。
中村氏は、「企業間取引や経理処理のデジタル化が進む中で、従来、銀行振替や現金取引が中心だったBtoB決済をクレジットカード払いに集約したいというニーズが高まっています」と市場の手応えをストレートに口にする。実際、近年、法人カードを導入したいという企業からの要望は引きも切らず、競合環境も激化。コンペになる状況の中で、確実に受注を増やしているという。
JCBでは、大手企業には、「JCBコーポレートカード」や「パーチェシングサービス」を提案している。他社との提携では、2021年1月にはリクルートと「Airカード」、2026年3月にはNTTドコモビジネスと「ドコモビジネスCARD」を発行するなど実績を重ねている。また、JR東海の「エクスプレス予約」法人サービス、ANAの法人向け国内予約システム「ANA Biz」のバックエンドの仕組みを提供している。
管理者を支援する「法人カードステーション」。 WEB化による「法人管理者の業務効率化」や「法人のガバナンス強化」をお手伝い
他社との差別化ポイントのひとつとしてJCBが挙げるのは、自前で開発し、2026年4月に立ち上げた管理者向けWebサービス「法人カードステーション」だ。大手企業の管理者の業務効率化を目的に構築したシステムで、「最先端を行っていると思います」と中村氏は述べる。 「法人カードステーション」ではたとえば、カード利用明細をいつでもリアルタイムで確認できる。月間の利用金額のアラートやブロックを設定できる。カード限度額の変更をオンラインで実行できる。また、VCN(バーチャル・カード・ナンバー)を即時発行できる。これはトークン化されているため、万一不正利用が発生した場合にもスムーズな復旧が可能という。
さらに、管理責任者にて最大3階層のワークフローを作成することができ、これに基づく運用を手元で一元管理できるようにしている。たとえば、管理責任者(部長・管理職)、管理統括者(経理部次長)、担当(経理部担当)と3つの階層ごとにワークフローを作成することが可能である。
経理業務効率化の観点からパーチェシングカードを導入したいが、使い過ぎなどのリスクが心配で踏み切れないという企業も多い。そこで「法人カードステーション」では、社員1人1人の与信枠を管理職がコントロールできるようにしている。たとえば普段は与信枠をゼロにしておいて、必要なときだけオンにするといった運用も可能だ。
中村氏は「業務に即した使い勝手の良いサービスを提供して、法人カードが活躍するシーンを増やしていきたい」と熱く語る。
スモールマーチャントも取りこぼさない。 「Cashmap」で最適なファイナンスを支援
JCB法人カードのラインナップには、一般、ゴールド、プラチナのほかに、個人事業主・フリーランスに特化した一般、ゴールドのJCB Biz ONEがある。
このいずれのカードにおいても、マネーフォワードエックスと連携した資金管理・キャッシュフロー改善ポータルCashmap(キャッシュマップ)が提供されている。

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