2011年11月25日10:00
“買い場”発想がリテールサポートを変える
情報を軸としたサポートでお客さま志向の“買い場”を実現
お客さま中心のマーケティングの必要性が叫ばれる中、メーカーや卸売事業者によるリテールサポートの変化の時を迎えている。お客さまニーズを充足する売り場作りを実現するために、今、何が求められているのか。メーカーや卸売業、小売業、そしてお客さまにメリットをもたらすリテールサポートのあり方を探った。
中長期的な視点に基づいて
小売業のお客さま中心のマーケティングの実現をサポート
近年、マーケティング・チャネルとしての“店頭”の重要性が再認識されている。
生活者の購買行動において、あらかじめ購入する商品を決定してから店舗を訪れる“指名買い”の比率はさほど高くなく、多くのケースでは店頭で購入商品を最終決定していることは以前から指摘されてきた。これまで店頭マーケティングへの注力度が比較的低かったことは、むしろ不自然であったとも言える。
店頭マーケティングの主体となるのは当然のことながら小売業であるが、小売現場ではスタッフが商品陳列やお客さま対応、レジ業務、清掃など日常的業務に忙殺されていることも珍しくない。また、チェーン店舗、独立店舗にかかわらず、いかに日々の売り上げを作っていくかにとらわれがちになることは避けられず、そういった意味で中長期的な視点に基づいたお客さま中心のマーケティングを実現することが難しい環境にある。
その中で、メーカーや卸売業が小売業と協力して、お客さまニーズを充足する売り場作りを手掛ける取り組みがリテールサポートだ。従来、リテールサポートにおいては、販売スタッフの派遣、販売用什器の提供、販売量に応じたリベートの拠出など、いわゆる“ヒト・モノ・カネ”の提供が主流であったが、近年では、これらに加えて、小売業とは異なる、その商品のマーケット全体を踏まえた、かつ中長期的な視点からの情報面のサポートが行われるようになってきている。
お客さまニーズを充足する売り場、言い替えればお客さま視点の“買い場”を実現するために、メーカーや卸売業は、小売業にどのようなサポートを提供するべきなのか。今回の特集ではリテールサポートに積極的に取り組むメーカー、卸売業のケーススタディを中心に、メーカーや卸売業、小売業、そしてお客さまにメリットをもたらすリテールサポートのあるべき姿を探った。