2012年4月10日8:00
クレジットカードと共に中国銀聯決済をマルチブランドで推進
地域での面展開に力を入れ、4年間で4万店への導入を目指す
ジェーシービー(JCB)と中国銀聯は、2003年に中国国内でのJCBブランドカードの加盟店業務を開始。2006年には、日本国内のJCBが提携する金融機関のATMで銀聯ブランドカードによる日本円引き出しサービスをスタートした。そして、2010年からは、国内での銀聯決済の加盟店開拓を開始している。国内の加盟店開拓については、4年間で4万店への導入を目指しているが、目標通りに導入は進んでいるという。
欅会、ニセコ町商工会、KICSと連携し
地域加盟店に中国銀聯決済を推進
「弊社では、加盟店開拓についてはマルチブランドで推進しています。弊社と契約していただければ、『JCB』『銀聯』『American Express』『Diners』『Discover』ブランドのすべてを取り扱うことができ、関連会社のジェイエムエスと連携すれば『Visa』『MasterCard』も含めたすべてのブランドの導入が可能です。(ジェーシービー 加盟店本部 加盟店営業部 営業統括グループ 副主事 坂口康則氏)
推進から1年と4カ月が経過したが、「銀聯決済を導入する必要性のある地域や業態が見えてきました」と坂口氏は成果を語る。大手の百貨店や家電量販店などは他社が先行して加盟店開拓を行っているが、「銀聯会員の旅行スタイル多様化により、まだまだ銀聯決済を導入することで売上増が見込まれる市場は多数ある」と同社では考えており、目標としている4年間で4万加盟店獲得の手ごたえはつかんでいる。
また、国内の営業部門や百弱のフランチャイジーがあるため、グループで連携を取りながら銀聯の推進を行っているそうだ。例えば、観光庁が指定している外国人観光客の受け入れに関する戦略拠点については、各自治体などと協力し、面での展開に力を入れている。地方の店舗でも自治体がハブになるところは、一斉に告知してもらえるメリットがあり、国から補助金が出る場合もある。
すでに同社では、東京の原宿表参道欅会、北海道のニセコ町商工会、京都の合同会社KICSなどと連携し、各地域でクレジットカードと銀聯決済のマルチ対応を推進している。
日本最大級の地図情報サービス「Yahoo!ロコ」を活用
クラウドサービスを検討し、モバイル利用にも力を入れる
同社では、各エリア展開において外国人観光客だけを重視しているわけではなく、地域活性には、国内外の会員と加盟店とのマッチングがキーワードになると考えている。
「海外から中国銀聯の会員を送客することはもちろん、国内の会員を各地域に送客することも大切です。国内会員の送客ツールに関しては、ヤフーと提携し、日本最大級の地図情報サービスである『Yahoo!ロコ』の活用を実施中です。
国内会員、海外会員に限定せず、クレジットカードを含めたマルチブランドを推進し、積極的な販促サービスを行うことで、国内会員の送客と海外インバウンドの双方の効果が期待できると考えています」(坂口氏)
将来的には、日本カードネットワークでは、クラウド型の決済システムを検討していく予定であり、対象スキームとして、銀聯決済も想定している。また、モバイル決済については、モバイル・コマース・ソリューションと提携し、タクシー向けのカード決済端末で銀聯カードの取り扱いを開始している。
今後は、国内外のJCBブランド会員に対し、加盟店開拓を行った地域ごとの積極的な告知やPRなどに努めていきたいとしている。また、エリアごとに特徴のあるアクセプタンスマーク(加盟店舗に貼られるステッカー)の作成も行う方針だ。