2012年10月4日17:40
阪急阪神グループ各社は、NTTグループ各社および博報堂の協力を得て、2012年10月6日~2013年5月10日まで、モバイル会員向けO2Oサービス「SMART STACIA」を提供すると発表した。
SMART STACIAは、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の進化に伴って普及し始めている「必要な情報を、その時、その場で入手」する新しい行動スタイルに対応するもので、阪急阪神沿線のおすすめ情報をタイムリーに提供し、利用者のさらなる利便性向上、沿線地域の活性化に貢献することを目的としたサービスとなる。同社によると、ショッピングセンター、ホテル、エンタテインメント施設、コンビニ、書店、雑貨店など複数の業種業態を対象にしたO2Oサービスはほかに例がないそうだ。
また、同サービスの提供開始に合わせて、阪急阪神グループ各社、NTTグループ各社ならびに博報堂は阪神間の中核拠点である梅田(大阪府)・西宮(兵庫県)の主要商業施設においてSMART STACIA会員対象のO2Oマーケティングに関する共同トライアルを実施する。
具体的には、梅田に位置する「阪急三番街」・「HEPファイブ(ヘップファイブ)」・「NU chayamachi(ヌー茶屋町)」を中心とした利用者向けの「ウメダ・スタイルクリップ」と西日本最大級の商業施設である「阪急西宮ガーデンズ」利用者向けの「阪急西宮ガーデンズアプリ」の2種類のスマートフォンアプリを無料で提供し新たなショッピングスタイルを体感してもらう。さらにスマートフォンアプリの利用状況や鉄道・バスの乗降情報、商業施設での購買情報などのデータを分析し、顧客の興味・関心にマッチした情報のタイムリーな提供を可能にするマーケティングおよび技術の検証に取り組むという。
各社の役割として、まず阪急阪神グループは、各種トライアルサービスの提供主体としてフィールド提供を行う。阪急阪神ホールディングスは、阪急阪神グループにおける同トライアルの企画立案、各種マーケティング施策および情報発信の実施、グループ事業間の調整を行う。 阪急阪神カードは、同トライアルの利用者基盤であるSMART STACIAの会員組織および「SMART STACIAポイント」などサービス全体における運営主体となる。
NTTグループはビッグデータを活用したマーケティング分析技術や最新ICTの提供等、主に技術面でトライアルの成果向上に貢献する。NTTは、ファッションなどに関する顧客の興味・関心、タイミングに合わせた情報提供や、写真を利用した店舗と利用者、利用者間でのコミュニケーションを可能にするスマートフォンアプリ「ウメダ・スタイルクリップ」を提供する。 また、NTT研究所が開発したビッグデータ分析技術も提供する 。NTT西日本は、同社が現在取り組んでいる新しい生活文化創造に向けた「スマート光タウン(街デジ)」構想の一環として、阪急西宮ガーデンズ270店舗中220店舗以上の協力を得て、街中での利用が進む「Wi-Fi」や今後の普及が想定される「NFC」に着目した新しいショッピング体験のサービス基盤を構築する。また、GPSでは把握困難な3次元の位置情報をWi-Fi技術を応用して把握し、位置情報と連動したタイムリーな情報配信を実現する技術の提供を行う。 さらに、約130店舗でのスマートポスター活用、約60店舗での電子クーポン・スタンプカードサービスの導入、館内12カ所に設置された専用端末による来館ポイントシステム、駐車位置記憶サービスなど、スマートフォンをかざすことで受けられる各種サービスの仕組みをトータルに提供する。
NTTドコモでは、ドコモ・インサイトマーケティングが持つリサーチノウハウとデータ分析力を活かしたO2Oマーケティング情報の統合的な活用支援を実施する。 具体的には、インテージ社の調査データを活用したターゲット層に対するペルソナ分析、商業施設での購買情報・鉄道およびバスの乗降情報に対するビッグデータ分析によるマーケティングインサイトの導出となる。
NTTコミュニケーションズは、同社グループのオンラインマーケティング支援事業を担うNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションとの協業により、企業向けソーシャルメディア施策支援ツール(Cotweet/BuzzFinder)、ツールを利用したソーシャルメディアのマーケティングへの活用支援、O2Oサービスの活性化支援、統計分析等のマーケティング分析技術・ノウハウを提供する。
なお、広告代理店の博報堂は、広告ビジネスで培ったマーケティングに関する知見を提供する。