2012年10月11日21:12
大日本印刷(DNP)は、スマートポスターを活用したO2O(Online to Offline)プラットフォームサービス「TAPLINK(タップ リンク)」を開発したと発表した。同社では、TAPLINKをはじめとするNFC関連ビジネスで、今後3年間で約40億円の売上を目指す。
スマートポスターは、NFCフォーラムで規定されたアプリケーションで、NFCタグを貼付したポスターやPOPなどに、生活者がNFC搭載スマートフォンをタッチすることで関連情報を配信できるものである。従来、一般的なスマートポスターは、NFCタグ内に書き込まれたWebサイトのURLや電話番号、メールアドレスなどをスマートフォンで読み取り、各種サービスを提供していた。しかし、NFCタグに書き込まれた内容を変更する場合、タグ内の情報を書き換える必要があり、運用や管理が非常に煩雑だったという。
今回DNPが開発したTAPLINKは、スマートポスターでのコンテンツ配信を短期間でより簡単に実施できるとともに、安全な情報配信が可能な、NFC搭載スマートフォンとスマートポスターを活用した企業のプロモーション活動を支援するO2Oプラットフォームである。
具体的には、スマートポスターの設置場所やアクセス時間に応じて、ポスターごとに情報を切り替えて配信することができる。クーポンや動画コンテンツなど、企業が生活者に告知したい情報を最適な条件で提供することが可能だ。
また、DNPが運用するデータセンターで、NFCタグ内の情報を一元管理するため、いつ、どこで、どのくらいスマートポスターが利用されたかなどのデータ分析が行える。ASPとして提供するため、各企業は配信するコンテンツを準備するだけで運用を開始することができ、サービス導入期間を大幅に短縮できるという。
さらに、DNPにて書き換え禁止処理を施したNFCタグを活用することにより、第三者による改ざんを防止できる。
利用イメージとしては、駅構内や街頭、店頭など多くの生活者が集まる場所にスマートポスターを設置し、地図アプリと連携した店舗へのナビゲーション、クーポンや割引券のプレゼント、画像や動画による商品やサービスのプロモーションなど、O2Oサービスの提供が可能だ。また、キャンペーンやイベントへのエントリー、コールセンターへの発信、SNSやオンラインショップとのリンクといったサービスも展開できる。
DNPは2012年11月から、DNPグループの丸善とジュンク堂書店で、TAPLINKを利用した、リアルとバーチャルとを連携させた実証実験を開始する。具体的には、店内の販促メディアとTAPLINKとを連動させた各種サービス提供、ポスターから電子書籍と紙の書籍とを販売するハイブリッド型総合書店「honto(ホント)」への誘導、現在地からリアル店舗(丸善、ジュンク堂書店)への歩行者用ナビゲーションといった実験を行う。DNPでは、同取り組みを通して、書店メディアへのTAPLINKの採用を目指す。