2014年8月1日8:41
TIプランニング ペイメントナビ編集部では、マーケティング・決済セミナー「ポイント・会員サービス最前線」を2014年7月30日に開催した。
国内でも大規模なポイントをキーに独自サービスを打ち出す企業が増えている。また、リクルートホールディングスと「Ponta」運営のロイヤリティマーケティングとの提携など、インターネットとリアルを連携させた取り組みが進んできた。さらに、スマートフォンを活用して顧客を店舗に送客したり、ICカードを活用した会員サービスも行われている。
ペイメントナビでは、ポイントカード・会員サービスへの取り組みを継続的にウォッチしてきたが、今回のセミナーでは新たなサービス展開に取り組むリクルートライフスタイル、楽天チェック、JR東日本ウォータービジネスの3社が講演を行った。
最初の講演では、「リクルートカード」の展開について、リクルートライフスタイル EC本部 EC推進室 カードグループ GM 狩野 真依子氏が説明した。リクルートライフスタイルでは、「リクルートポイント」がお得に貯まる「リクルートカード」「リクルートカードプラス」を発行している。業界最高水準のポイント還元や海外旅行傷害保険をはじめとした各種保険など、リクルート会員の希望に沿ったサービスをカードの特典として提供している。同社では、グループ全体を横断したサービスを目的に、“リクルートID”と“リクルートポイント”を活用した取り組みを実施。セミナーではリクルートカード開始の背景や狙い、現状について紹介した。リクルートとLMは業務提携し、2015年春頃をめどにリクルートが発行する「リクルートポイント」を「Pontaポイント」に変更するが、2014年7月30日から、リクルートポイントとPontaポイントとの相互交換サービスを開始している。
また、都内をはじめ、沖縄や熱海などで実施するポイントアプリ『Air Wallet』や、スマートフォン決済サービス「Square」と連携した無料POSレジアプリ『Airレジ』など、リアルの展開についてもサポートしているそうだ。
続いて、スポットライト 代表取締役 柴田陽氏が「9,000万人の楽天会員を送客する『楽天チェック』の狙い」について講演した。スポットライトは、2011年9月から、来店するだけでポイントが貯まるスマートフォンアプリ「スマポ」を国内でいち早く展開している。それに加え、2014年4月2日からは、約9,000万人の楽天会員を実店舗に送客する来店ポイントアプリ「楽天チェック」を行っている。同セミナーでは、「スマポ」のこれまでの取り組み、「楽天チェック」開始の経緯、「Rポイントカード」など楽天グループのシナジーの活用方法や今後の展開について解説した。
そして、最後はJR東日本ウォータービジネス 取締役営業本部長 笹川 俊成氏が登壇。同社では、エキナカ飲料自販機における顧客起点での改革を目指し“自販機イノベーション”を推進している。これまで、ブランドミックス機や電子マネー対応の拡大、次世代自販機の開発等を実現してきた一方で、次なるステップとして、2013年5月から会員制度「acureメンバーズ」を活用したCRM戦略の実践を開始している。エキナカ自販機は“一見客”が中心も、ヘビーユーザーが売上を支えているという。セミナーでは、会員制度における取り組みや導入成果、コミュニケーションの方向性などについて紹介した。
同セミナーは3時間以上の長丁場となったが、参加者は講師陣の話に耳を傾け、ペンを走らせていた。
なお、ペイメントナビ編集部では、秋にも決済やポイントに関連したセミナーを開催する予定となっている。