2010年11月4日12:40
バーチャルカードで急伸するオンライン市場をとる
~Virtual Card~
日本カードビジネス研究会 代表 佐藤 元則
ネットやモバイルのオンライン市場は、景気減速下でも元気がいい。オンラインショッピング、オークション、オンラインゲーム、音楽配信、モバイルコンテンツ、そしてオンライン動画や電子書籍。
これらのなかで、オンラインショッピングとオークション以外は、すべてデジタルコンテンツである。つまり、物理的な実体をもたないデジタルデータの集合体。購入すれば、オンラインですぐにダウンロードできる。
その決済には、現金支払いや着払い、コンビニ払いなどは適さない。モバイルコンテンツのなかには、携帯電話料金と一緒に課金しているものがあるが、最適な決済手段はカードであろう。
カード情報はデジタルデータで、リアルタイム性があるからだ。カード番号と有効期限、そしてセキュリティコードを入力すれば、そのデータが加盟店からアクワイアラを経てイシュアに送信され、承認されれば瞬時に加盟店にフィードバックされる。
カードはオンライン決済の最適ツールである。では、オンラインで使えるカードは、物理的なプラスチックカードである必要があるのだろうか。
オンライン決済では、磁気ストライプやICチップに書込まれた情報を読取ることはない。利用するのはカード番号と有効期限、そしてセキュリティコードだけである。
ならば、リアルのプラスチックカードではなく、この3要素だけを保有するカードでじゅうぶんなのではなかろうか。これが、今回のテーマ「バーチャルカード」である。
より多くの人たちをバーチャルカードのターゲットにするためには、非与信商品のプリペイドカードが適している。年齢を問わず、職業の有無を問わず、すべての人に発行できるからだ。
バーチャルカードはデジタルデータなので、オンライン申込時に即時発行できる。ギフトカードをバーチャルにすれば瞬時に相手に贈れ、記念日のメッセージをつけたり、画像や映像をつけたりすることも可能。
プラスチックカードではできなかったパーソナルな付加価値を、バーチャルカードなら多様につけることができるのである。
急成長するオンライン市場。なかでも、デジタルコンテンツの普及がオンラインカード決済の追い風になってきた。バーチャルカードは、この市場の圧倒的シェアをとれる可能性を秘めている。