2020年3月13日17:00
アント フィナンシャルのモバイル決済プラットフォームである「Alipay」は、2020年3月10日、中国の4,000万のマーチャントのデジタルトランスフォーメーション(DX)をサポートする3カ年計画を発表した。
同計画は、中国市場において、Alipayが金融サービスプラットフォームから、幅広いデジタルライフスタイルサービスを提供するオープンなエコシステムへと進化し、中国でのポジショニングを強化し続けるための重要なマイルストーンとなるそうだ。
中国互連網絡信息中心(CNNIC)によると、2019年は中国のインターネットユーザーの99.1%がモバイル端末を介してインターネットを利用したのに対し、2007年にはわずか24%だった。このようなスマートフォン利用の普及が、中国国内のサービス産業がデジタル技術を取り入れる道を開いたとした。
中国国家統計局によると、中国のサービス産業は2019年の中国GDP成長の59.4%に貢献している。経済にとって重要であるにもかかわらず、中国のマーチャントは依然として伝統的な実店舗販売のビジネスモデルに大きく依存している。業務効率を高め、顧客体験を向上させるためのデジタル技術を完全には取り入れていないのが現状だ。一方、デジタル化されたサービスに対する消費者の需要は急速に拡大している。2019年だけでも、Alipayアプリ内のライフスタイルサービスの検索数は、2018年と比較して300%増加した。
また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、アリペイは、開発者のミニアプリ作成を促すインセンティブプログラムを導入した。発表から1週間以内に1,200人以上の開発者が反応し、食料品の配達、医学的アドバイス、物流、公共サービスを含む181の「非接触型」サービスのミニアプリがアリペイのアプリ内に作成された。
ミニアプリは、ユーザーとマーチャントとの物理的な接触を最小限に抑えながら、自宅で生活・仕事をする人々の多様なライフスタイルのニーズに応えるといった、新型コロナウイルスの影響への対処に役立っているとした。例えば、アリババグループ傘下の健康分野プラットフォーム「阿里健康(AliHealth)」が提供する無料医療相談サービスのミニアプリには、1日平均70万回アクセスされている。北京の食料品スタートアップ企業で農家と消費者・レストランとを結ぶサービスを提供する「美菜(Meicai)」も、Alipayユーザーが宅配サービスを利用できるミニアプリを開始した。1週間で80万人以上の新規ユーザーを獲得し、中国国内の80都市から注文が入ったとした。
Alipayは、マーチャントに対して、決済、不正防止、資金管理、スマートマーケティング、消費者インサイト、新規顧客獲得、リテンション(既存顧客維持)、エンゲージメントなど、サービスのフルサイクルをワンストップでサポートしている。これらの技術製品およびサービスは、包括的な金融サービスで培ったノウハウから、開発・改良され、安全性、信頼性、パフォーマンスが備わっているとした。さらにマーチャントは、アリババのエコシステム内の主要プラットフォームで実行できるAlipayのミニアプリを活用して、より広い範囲でユーザーにリーチできる。これらの要因により、Alipayのオープンプラットフォームは、消費者とマーチャントの双方にとって、ワンストップの選択肢となるとした。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
カード決済、PCI DSS、ICカード・ポイントカードの啓蒙ポータルサイト