ROBOT PAYMENT等、経理の新しい働き方を共創するプロジェクトで経産省に働き方改善の嘆願書提出

2020年10月5日8:00

決済代行サービスやクラウドサービス「請求管理ロボ」を提供するROBOT PAYMENT(ロボットペイメント)は、2020年9月30日、経理の新しい働き方を共創するプロジェクト「日本の経理をもっと自由に」において、10月1日に改正された電子帳簿保存法で経済産業省への”経理の働き方改善”の嘆願書を提出するにあたり、記者説明会を開催した。

前列左からROBOT PAYMENT 執行役員 フィナンシャルクラウド事業部長 藤田豪人氏、ROBOT PAYMENT 代表取締役社長 清久健也氏、インフォマート 事業推進・戦略営業 執行役員 木村慎氏、後列左から、ワークスアプリケーションズ 代表取締役 最高執行責任者 秦修氏、国税庁 課税総括課課長補佐 小倉啓太郎氏、花王ビジネスアソシエ 会計サービスグループ 部長 兼花王会計財務部門 経理企画部 上野篤氏

34.2%の請求書電子化導入率を50%に
約184万の経理を支援へ

ROBOT PAYMENTは、2000年に創業。1万社以上の導入実績を誇る決済代行サービスに加え、クラウドサービス「請求管理ロボ」による請求管理の自動化により、企業の生産性向上を支援している。

「日本の経理をもっと自由に」プロジェクトは、請求書の電子化をはじめとする経理業務に対するIT 導入を促進するため、7月2日に51社で立ち上げたものだ。記者説明会時点での、協賛企業は110 社となる。10月1日に改正された電子帳簿保存法施行に向けて、経理とともに請求書の電子化を本格的に推進してきた。

「日本の経理をもっと自由に」について説明する 清久氏

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言により、多くの企業が在宅勤務に移行している。しかし、企業の経理は、請求書の捺印、発送のため出社するケースが多い。そこで、紙の請求書をなくし、経理業務の電子化を推進するため、新たなプロジェクトを立ち上げたという。請求書を電子化すべきと思っている経理は推定約184万人いると言われるが、そういった人々を支援していきたいとした。

7月2日の発足の記者説明会では、数多くのテレビ局やウェブメディアが取り上げたという。同プロジェクトでは、34.2%しかない電子化の導入率を50%まで引き上げることが目的となる。ROBOT PAYMENTの「請求管理ロボ」の問い合わせも増えており、ROBOT PAYMENT 代表取締役社長 清久健也氏は「これまで1年間で20%の成長でしたが、1月から半年で83%に増加し、請求書の電子化の機運が高まっています」と語った。

5つのアクションで経理業務の改善目指す
請求書を電子化した時の経済効果は1兆1,424億円

続いて、ROBOT PAYMENT 執行役員 フィナンシャルクラウド事業部長 藤田豪人氏が登壇し、プロジェクトの進捗状況について説明した。日本の経理の実態として、間接部門でIT投資の優先度が低い。その理由として、コスト負担が課題と明確であり、予算確保が障壁となっている。また、IT導入補助金などの制度もあるが、売り上げに関わるサービスに投資されがちだ。

同プロジェクトでは、9月30日、朝日新聞全国版に15段広告を掲載して、経理の新しい働き方についてのメッセージを伝えた。今後の取り組みとして、①経済産業省への“経理の働き方改善”に関する嘆願書の提出、②経理部門向けITツールを提供する企業と連携して会計業務におけるIT化を進めるエコシステム構築、③自治体の経理業務のデジタル化支援に向けたサポート、④請求書業務の電子化を行いたい経理に代わってプロジェクトが支援する代理申請企画の実施、⑤カンファレンスの開催、という5つのアクションを挙げた。

9月30日には、経済産業省に“経理の働き方改善”に関する嘆願書を提出。経済産業省には、IT導入補助金の拡充と経理部門への導入促進のための啓発と、経理部門等に焦点を当てたDX促進のための産官学連携の促進を要望している。また、勉強会の開催などにより、電子化推進のルールや安全性を研究していきたいとした。

具体的なアクションとして、現在は数多くの企業がクラウドサービスを導入しているが、その中で電子化を推進していきたいとした。例えば、OEMでサービスを連携させるなど、電子化しやすい環境を提供していく方針だ。また、協賛企業と共に、自治体に対して人、モノ、ノウハウをワンストップで提供することも考えている。

藤田氏は「請求書を電子化した時の経済効果は1兆1,424億円と言われますが、上記の5つのアクションをベースとして経理の働き方に寄与していきたいです」と意気込みを述べた。

110社が手を取り合って経理業務の改善を目指す
電子帳簿保存法改正で領収書の管理業務が改善

続いて、110社の協賛企業を代表して、インフォマート 事業推進・戦略営業 執行役員 木村慎氏が登壇。同社では、2015年から企業間で発生する処理を電子化する「BtoBプラットフォーム 請求書」を提供している。「請求管理ロボ」を提供するROBOT PAYMENTとはビジネス上は競合だが、社会の理解を得るために世論を盛り上げる必要があることから、協力してプロジェクトを進めている。

各プレゼンテーション後は、 花王ビジネスアソシエ 会計サービスグループ 部長 兼花王会計財務部門 経理企画部 上野篤氏、ワークスアプリケーションズ 代表取締役 最高執行責任者 秦修氏、国税庁 課税総括課課長補佐 小倉啓太郎氏をパネリストに迎え、 藤田氏をモデレーターとして加えた4人で「経理の働き方の未来」をテーマにしたトークセッションを行った。

パネルセッションの様子

上野氏は、電子帳簿保存法改正は待ちに待っていたとコメント。例えば、会社のクレジットカードで決済すれば領収書は必要なくなるため、「領収書を出すために会社に来る社員を救えます」とした。一方で、請求書に関してはさらなる規制緩和に期待した。

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