2012年10月25日8:30
顧客に寄り添うスマホ・アプリ活用術
総 論: 実用的なメリットとエンターテインメント性の両立が
息の長い取り組みを実現する
特にB to C分野のビジネスを展開する企業においては、将来的にスマホへの対 応がコミュニケーション戦略の成否を大きく左右する可能性も高い。その意味 で、スマホ・マーケティングの黎明期とも言える現時点から失敗を恐れないチャレ ンジを行い、ノウハウを蓄積していくことが大切だと言えるだろう。
従来のケータイ・マーケティングより
高次元な施策を可能とするスマホ・マーケティング
スマートフォン(スマホ)の普及が急速に進んでい る。米国comScore社が2012年8月21日に発表した「日 本国内モバイル市場に関する調査結果」によれば、モ バイル通信機器ユーザー全体のうち、従来タイプの ケータイの利用者が76.5%、スマホの利用者が23.5%。 スマホの利用者数は急増しており、2011年末時点に比 べ43%の増加となった。最近、主要通信キャリアが発 売するモバイル通信機器の大半がスマホであることを 考えると、近い将来この比率が逆転し、スマホが主流 の時代が到来することは想像に難くない。
ケータイの普及に伴って、ケータイのマーケティン グ活用が一般化していったように、今後、スマホを活 用したマーケティングに取り組む企業が増加していく ことは間違いないだろう。なにしろスマホは従来タイ プのケータイと同様に「1人1台、24時間、30㎝以内」 という特性をもった史上類を見ないパーソナル情報 ツールであるとともに、PCをベースとした設計によっ て従来型のケータイにはなかったさまざまな機能を備 えている。さらに、“アプリ”をダウンロードすること により、より多くの機能を装備したツールとしてカス タマイズすることも可能であり、これらを駆使すれ ば、これまでのケータイ・マーケティングよりも高度 なマーケティング施策を展開し、より大きな効果を期 待することもできるだろう。
しかし、スマホ自体が普及期にある中、スマホ・マー ケティングについても単発的な成功事例が散見される 程度で、普遍的な成功法則は確立されていないのが現 状だ。そこで、今回の特集では、スマホ・マーケティ ングに積極的に取り組む先進的な企業のケーススタ ディを中心に、現時点におけるスマホ・マーケティン グの実態を検証するとともに、その将来的な可能性を 探った。