2010年9月10日15:15
レンタルコンテナ大手のイフコ・ジャパンと大日本印刷(DNP)は9月10日、折畳み式のレンタルコンテナに独自に開発したICタグを装着して、レンタルコンテナと搬送される青果物の情報を一元管理するシステムを共同で構築したと発表した。同システムは、農林水産省が推進する新技術活用ビジネスモデル実証・普及事業に基づき、同省の助成を受けて開発を進めてきたという。
今回の実証実験では、イフコ・ジャパンが農協などの集出荷業者と青果物の加工業者にICタグのリーダライタ一式をそれぞれ貸与して、流通過程でのレンタルコンテナの適切な出荷・回収の運営の検証を実施した。折畳み式のレンタルコンテナに装着する1枚のUHF帯ICタグのユニークIDを活用し、「コンテナ管理システム」「青果物入出荷管理システム」を構築することで、コンテナと搬送される青果物のトレーサビリティ情報の一元管理を実現したという。
コンテナ管理システムは個々のコンテナの貸出・返却・在庫状況のほか、洗浄履歴などを管理し、コンテナの出荷・回収業務の効率化を実現するもの。課題となっていたレンタルコンテナの在庫管理については、いつ、どこに、どれだけレンタルコンテナが配送されたかという情報を関係者間で共有することにより、迅速な回収を促進するという。また、青果物入出荷管理システムは、コンテナで搬送する青果物の商品情報をリアルタイムで把握し、生産者、品種、等級、重量、受入時間などトレーサビリティを実現する。
今回、DNPが開発したICタグは、風雨や冷温・高温などの気象条件にも対応した耐久性や防水性、落下や振動に対する耐性を有しているという。また、折り畳まれたコンテナをパレットに積み上げた状態で、イフコ・ジャパンの貸出単位である275枚の一括読取を行うことが可能だ。今回の実証実験では、外食産業向け加工業者にルートを限定したが、今後は量販店向けなどにも拡大するとともに、同システムの本格運用に向けて、イフコ・ジャパンで扱うすべてのレンタルコンテナに順次ICタグを導入していく予定だ。