三菱商事・ABCクッキングスタジオと地域創生で連携(STANDAGE)

2023年12月8日10:45

デジタル貿易プラットフォームの開発・提供を手がけるSTANDAGE(スタンデージ)、三菱商事、日本およびアジア圏に料理教室を展開するABC Cooking Studioはともに、地域創生を目的とした日本酒および日本産品の販促イベントプロジェクトを開始すると発表した。

欧州で高評価の厳選銘柄をシンガポールへ 購入特典で酒づくり体験へ招待(STANDAGE)

第一弾はシンガポールをターゲットとし、2023年12月16日から2024年2月6日にかけて、現地料理と日本酒のペアリングをテーマとした「1dayレッスン」(入会金不要・1回完結型のレッスン)を、ABCのシンガポールスタジオにて開催する。扱う日本酒はその場で予約・購入が可能で、購入金額に応じて当該酒蔵での日本酒づくり体験等の特典を付与することで、生産地へのインバウンド流入を促すという。

日本酒の海外向け輸出高は年々右肩上がりで推移を続け、2010年以降12年連続で過去最高を更新するなど、日本食・日本酒に対する海外からの関心は確実に高まっているという。一方で、日本酒の輸出は大手の酒造メーカーや有名な銘柄に偏っており、中小規模の酒蔵はロットの問題や自社リソースの不足等の理由から、輸出参入の機会を得にくいという実態がある。

有名な銘柄に人気が偏りがちなところ、同イベントプロジェクトを通して日本各地の隠れた名品を当地の歴史・文化とともに海外へ紹介することで、各地域のさまざまな酒蔵や銘柄の開拓意欲を刺激し、中小酒蔵の輸出機会創出や生産地へのインバウンド呼び込みにつながると考えているそうだ。

日本酒はスタンデージが輸出支援先として契約する酒蔵のうち、水口酒造(愛媛県)、吉川醸造(神奈川県)に加え、県統一ブランドをもつ山形県酒造組合の3社の銘柄を提供する。いずれもシンガポール未進出ながら、これまでスタンデージが輸出支援を実施するなかで、仏パリや英ロンドンで高評価を受け、数十本以上の販売実績のある銘柄として選定したものだという。

そして、それらの日本酒に合う料理をABCが開発し、現地のABCインストラクターが料理レッスンを通じて受講者に日本酒の魅力をPRする。シンガポールのABC会員は可処分所得の高い若い女性が中心で食への関心が高く、レッスンで作った料理をSNSで発信していることから、こうした会員をターゲットに日本酒の魅力を伝えていくことで情報の拡散を図るという。

また、シンガポールは多民族国家ゆえ異国の食文化に対し寛容で関心が高いという特色がある。東京・羽田からおよそ7.5時間と、インバウンド需要の呼び込みにも繋がりやすい距離だという。また、東南アジアの国々のなかでも平均所得が高い水準にあり、山形県酒造組合の統一ブランド「山形讃香(さんが)」をはじめ、スタンデージが取り扱うハイエンド銘柄が受け入れられやすい土壌があるといった理由から、第一弾のイベント開催地として決定した。日本酒は当日に予約を含め購入を受け付ける。購入金額に応じて、各酒蔵での日本酒づくり体験への招待など特典を付与し、生産地へのインバウンド流入につなげるそうだ。

なお、12月からのレッスン開始に先駆けて、11月25日にシンガポールのABCクッキングスタジオにて日本酒をテーマにしたワークショップを開催した。当日はシンガポール料理と日本酒のペアリングを楽しみながら、日本酒について学ぶコンテンツが提供され、定員60名に対し230名以上が申し込んだという。また、日本酒の当日販売本数は60本を想定していたところ、プレオーダーを含め80本程度の注文が入った。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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