ファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore」オープン(アダストリア)

2024年4月16日17:00

アダストリアは、業界初となるファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモアー)」を2024年4月10日にオープンした。StyMoreへの第一弾参入企業として、サンリオが決定。今後、さまざまな事業会社や個人クリエイターに出店してもらい、ファッション領域でのメタバース事業を拡大するという。 

ファッション特化型メタバースプラットフォーム「StyMore」(アダストリア)

                                                                

同社は、2025年に向けた成長戦略の1つに「デジタルの顧客接点・サービスを広げる」ことを掲げており、会員数1,750万人を誇る、アパレルEC市場第2位の公式WEBストア「.st(ドットエスティ)」を運営している(2024年2月現在)。

これまでに、同社が展開する8つのブランドのメタバースデジタルファッション(アバター用の洋服)を販売した。また、アバターやデジタルファッションの販売以外にも、業界の枠を超え、さまざまな企業やクリエイターと連携しながらメタバース領域での事業を展開し、デジタルの顧客接点を拡大しているそうだ。

メタバースプロジェクトがスタートして約1年半がたち、2022年に販売したオリジナルアバター「枡花 蒼(ますはな あお)」や「一色 晴(いっしき ひより)」は販売開始から大変好評を得たそうだ。また、オリジナルアバターとは別に、そのアバターが身に付けるデジタルファッションや小物雑貨も販売しており、その割合はメタバース全体売上の約8割を占め、デジタルファッションの需要があることが分かった。

さらに、同社が独自で行った調査では、アバター関連商品への年間支出額が、全体で「3万~4万9,999円」と「10万円~」が18.3%と最も高く、アバター向け衣装の購入頻度は「月に2~3回」が42.2%と最も高い結果となった。普段のリアルの洋服の購入頻度は「2~3カ月に1回」が34.3%と最も高いことから、リアルの洋服購入頻度より、メタバース向けアバター衣装の購入頻度の方が高いことが伺えたそうだ。

前述から、デジタルファッションには既に需要性と今後拡大する可能性がある潜在市場であると捉えている。メタバースの世界では、(自身のアバターの)洋服やアクセサリーを購入するといったファッションを楽しむ購買行動が生まれおり、その他にも、音楽フェスや旅行に行ったり、友人たちと会話をしながら食事をしたり、といった、人のリアルな日常と変わらない地続きな世界が既に成り立っている。

同社はこのメタバースの世界を新たなビジネス機会と捉え、ファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore」を立ち上げることになったそうだ。

「StyMore」は、自分の好きなスタイルでファッションを楽しむ“Style”、もっとファッションを楽しむ“More”という2つの言葉を掛け合わせ、バーチャルでもリアルでもファッションを楽しんでもらいたい、という想いを込めた、ファッション特化型メタバースプラットフォームとなる。

「StyMore」で購入したデジタルファッションアイテムは、スマートフォンアプリでアバターに着せ替えて(※一部アイテムのみ)、VRChatなどのメタバース空間へアップロードすることができるそうだ。

なお、ビジネスモデルとして、個人のクリエイターや事業会社のメタバースアイテムをStyMoreに出品してもらい、ユーザーはStyMoreに出品されたデジタルアイテムを購入。購入代金のうち、個人クリエイター7%、企業10%の手数料を引いた金額が出店者の売上として受け取れるビジネスモデルだという(サービス開始時の手数料)。

なお、オープンに際して、ドットエスティと年間でさまざまな取り組みを実施しているサンリオの出店と、さまざまなメタバース展開をしているJR西日本コミュニケーションズが出店を予定しているそうだ。

StyMoreの展開にあたって、サイトの構築、MakeAvatarソリューションの提供など、StyMoreサービスの展開にあたってGugenkaの支援により実現したそうだ。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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