バローの惣菜部門で「サキミル」活用のAI自動発注を開始(中部フーズ/日本気象協会/ソフトバンク/バロー)

2024年8月9日7:45

中部フーズ、ソフトバンク、一般財団法人 日本気象協会、およびバローホールディングスは、バローホールディングス傘下のスーパーマーケット(運営:バロー)の惣菜部門の運営を担う中部フーズが、このほど、ソフトバンクが提供する AI(人工知能)需要予測サービス「サキミル」を活用した惣菜の自動発注を本格開始したと発表した。 2024 年1~5 月に、中部フーズが惣菜部門の運営を担うスーパーマーケット(31 店舗、運営:バロー)および工場(1 カ所、運営:中部フーズ)において 4 社が共同で実施した事前検証では、店舗において、利益の約5%増加や発注作業時間の 27%削減など、一定以上の効果を確認できた。これを受けて中部フーズは、2024 年6 月に、中部フーズが惣菜部門の運営を担うスーパーマーケット 76 店舗において AI 自動発注を開始したほか、2024 年度中(予定)に、バローが運営するスーパーマーケットのうち中部フーズが惣菜部門の運営を担う全店舗(242 店舗)への展開を進める。

AI 自動発注では、店舗データ(POS データ、賞味期限などの商品情報、キャンペーン情報など)に加えて、人流や気象データを活用したソフトバンクの需要予測サービス「サキミル」で予測した来店客数を基に、商品ごとの発注量を自動で提示する AI 予測モデルを構築した。工場で製造を行う惣菜(約100 商品)を対象として、店舗と工場の両方におけるメリットを追求し、製造から販売までのプロセスでの利益最大化を一つの指標とした。

各商品の発注量が適正化されたことで、店舗では、欠品率改善による売上の増加と、値引きの削減や廃棄削減による利益の増加の両立を実現した。また、AIが自動で最適な発注量を提示するため、店舗や工場での発注作業や生産計画の策定にかかる時間が短縮され、業務効率化および業務負担の軽減につながった。店舗と工場の間では、店舗は、AIを活用することで前もって適正な発注量を把握することができるため、発注リードタイムを長期化することが可能になり、その結果、工場では見込み生産を廃止して受注生産に切り替え、仕掛け品の廃棄ゼロを実現したそうだ。

今後は、定期的に AI 予測モデルを見直して精度向上を図るとともに、2024 年度中(予定)に、バローが運営するスーパーマーケットのうち中部フーズが惣菜部門の運営を担う全店舗(242 店舗)への AI 自動発注の展開を進める。これにより、売上・利益の向上に加え、業務の効率化を推進することでスタッフの業務負荷を軽減し、業界全体で課題となっている人手不足の解決を目指す。

この記事の著者

New Retail Navi編集委員

※流通・コマース関係の情報を中心に記事をご紹介しております。

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