2025年5月9日15:18
ブレインパッド、2025年5月9日、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループのカイバラボが進める「店舗内商品AI検索サービス」の開発を支援したと発表した。

カイバラボは、PPIHグループにてリテール分野におけるテクノロジー活用を担っており、同サービスは、顧客がスマートフォンに保存した画像をもとに、店舗内の商品位置を迅速に検索できるものだ。ブレインパッドは、データ・AIを活用して同サービスの開発支援を行い、店舗内商品検索サービス「AI商品ナビ」を共同で開発した。
PPIHが運営するドン・キホーテ渋谷本店の売上の約7割は、インバウンド(訪日外国人旅行)の売上で占められている。同店の商品点数は約130万点にのぼる。そこでカイバラボとブレインパッドは、インバウンド顧客が店舗内に設置されたシステムに購入したい商品画像をアップロードすることで、探している商品の場所が提示されるサービスを提供したという。これにより、顧客が欲しい商品を探すために店内を巡る手間を省くことよる顧客のショッピング体験の向上と、店舗スタッフの案内負荷の解消を実現しているそうだ。
ブレインパッドは、同サービスの開発支援にあたり、当社の有するデータサイエンス力や、数々の画像解析プロジェクトを通じて得られた知見を活用している。Google CloudのGemini、Vertex AIの画像認識技術も活用しながら、棚割りデータベースを構築し、顧客によってバラつきのある商品画像から適切な商品提示ができるようなシステム構築を実現したという。
これまで、ドン・キホーテ渋谷本店では、店内の「何処に」「何の商品」が配置されているかを示すデータベースを構築できていなかったという。そこでブレインパッドは、写真を撮影するだけで、棚のIDとSKU(商品管理を行う際の最小の管理単位)が紐づく棚割りデータベースの構築を提案し、テストを重ね。同棚割りデータベースは、異なる棚に置かれてしまった商品を、正しい棚に戻す業務への活用にも期待されているという。
また、顧客が所有する商品画像には、商品の製造元が作成した画像もあれば、顧客や一般消費者が撮影した画像もある。さらに、複数の商品が写り込んでいる場合もある。同サービスは現状、特定の商品だけを写した画像をアップロードした場合には、検索結果の上位5位以内に該当商品が100%存在する認識精度を達成している。加えて、背景にさまざまなものが写り込んでいるようなノイズの多い画像に対しても、背景を削除することで正確な画像認識を行えるようにするなどの処理を実行できるようにしたという。
これまでは顧客が提示した画像に対して人手を介したアノテーション作業を行ってきたが、今後はAIエージェントによってアノテーション作業を実行可能にするとともに、多言語にも対応できることを視野に入れて、検証・開発を続けていく予定だ。