金融サービスのDXを支援する「プロフェッショナルサービス」を提供(マネーツリー)

2020年12月7日9:37

マネーツリーは、2020年11月25日にオンライン説明会を行い、金融サ ービス提供事業者の金融サービス開発およびデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するための 「プロフェッショナルサービス」事業を開始すると発表した。

2019年からDX支援サービスを開始

マネーツリーは、2012年に創業し、2013年に資産管理アプリをリリースした。2015年には、データアグリゲーションをプラットフォームとして切り出して独立させたMoneytree LINKを提供している。まずは弥生会計、TKCといった大手会計ソフト会社に提供開始。Moneytree IDによって各サービスに共有でき、60社以上に使用される金融プラットフォームとなっている。現在、同社のサービスは500万以上の利用者を有し、1,330万の口座情報、24億以上のデータを取り扱うセキュアなプラットフォームとして活動を続けている。

マネーツリー 代表取締役・創業者 ポール・チャップマン氏

マネーツリーでは、データアグリケーションを元にクラウド会計、決済事業などと連携しているが、中立的で公平なデータエコノミーであるという。たとえば、ECプラットフォームのShopiyがECに必要なインフラとツールのみを提供しているが、「マネーツリーの中立的なプラットフォームも同様で企業の成長のためにあります」とマネーツリー 代表取締役・創業者 ポール・チャップマン氏は説明する。特徴として、利用者目線のアプリ開発、運用において知見がある。また、エンタープライズ、コンシューマーの知見を持っていることが業界から認知されるようになっているとした。2019年からDX支援として、Moneytree LINKを中心とした金融サービス開発、知識共有などを提供している。同シーンを加速させるため、このほどプロフェッショナルサービスを開始したそうだ。プロフェッショナルサービスは、これまで蓄積したサービス設計のノウハウやデザイン嗜好を生かすサービスとなる。

サービス計画からリリース、運用まで一気通貫

日本でもAI、ビッグデータを活用したデータテクノロジによって、社会の課題を解決する期待がある。現在、国内でも新型コロナの拡大等により、キャッシュレス化、オンライン化、非接触経済が広がっている。今後は、付加価値を提供できるサービスが重要だ。今後は、オープンバンキングや来年末の金融仲介業の規制緩和など、金融データの取り扱いが変化していくと予想される。大手銀行では、これらのニーズを把握し、サービス開発や運用ノウハウを組織内に持ち、これらの課題に対し、開発プロセス、組織的な意識を変革することでDXを加速させていくことが重要だ。

チャップマン氏は「スタートアップのように考え、開発を行い、運用を行う、サービスを提供するカルチャを取り入れることで、革新的なサービスも可能になります」と話す。「Act like a start up(スタートアップのように動く)」に必要なこととして、1つめは異なる組織がワンチームとして協業することで新たなサービスを創造することを挙げる。2つめは、デザイン嗜好となる。3つめは、ユニバーサルスタンダードな新たな金融体験の創造を作り出すことだとしている。

DXの加速に向けてアジャイル型開発

マネーツリーは、27カ国からなる多様性のある人材により、新たなプロフェッショナルサービスを展開していく。プロフェッショナルサービスによって、サービスの計画からリリース運用まで一貫したサービス支援を実施。開発のみを請け負うのではなく、金融機関と一体となって進めることで、企業におけるサービス開発のプロセスを支援するそうだ。

マネーツリー 最高プラットフォーム責任者(CPO)・創業者 マーク・マクダッド氏によると、リリースの後にも製品のPDCAをまわしていくことで、継続的にワンチームとして協働し、新しいデジタル商品の開発に必要なスキルセットやプロセスなどを支援していきたいとした。デジタル製品開発に最適なアジャイル型開発によって、機動力を生かして、ユーザーのニーズに対応していくそうだ。

マネーツリー 最高プラットフォーム責任者(CPO)・創業者 マーク・マクダッド氏

金融機関での実績は?第三の柱に育てる

すでに、三菱UFJ信託銀⾏が2019年にリリースした信託商品「代理出⾦ 機能付信託(つかえて安⼼)」において、マネーツリーは専⽤スマートフォンアプリの開発において、UI (操作性)/UX(ユーザーのサービス体験)の設計監修および アプリ開発を⽀援している。

また、三菱UFJ銀⾏が2020年9⽉にリリースしたお⾦の⾃動管理アプリ「Mable(メイブル)」において、マネーツリーは製品コンセプト⽴案段階から参加し、MVP(Minimum Viable Product)機能の定義、ユーザー調査を経た後、共にビジュアルブランドの創造を⾏い、アプリ全体の設計開発をするなど、総合的にアプリ設計開発に関わっている。同アプリは、銀⾏と協働してアジャイル⽅式で開発を⾏った代表例となる。

プロフェッショナルサービスは、Moneytree、Moneytree LINKに続く、「第三の柱にしていきたい」とチャップマン氏は意気込みを見せた。

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