2021年1月25日20:19
ジェーシービー(JCB)は、カウリーと、「カウリーチェーン」を用いたトークンと既存の暗号通貨や他のブロックチェーンとの相互接続に関する実証実験を実施した。
昨今、日常利用に耐え得る通貨の代替手段としてステーブルコイン(取引価格が変動しない暗号資産)に注目が集まっている。今後、IoT決済・シェアリングエコノミーが普及していく中で、地域レベル・コミュニティレベルでのトークンエコノミー(法定通貨の代わりに、 資産やサービスなど様々な価値を置き換えたトークンを介して作られる経済圏)活用へ社会ニーズが高まることが予測される。また、その中で、異なる経済圏同士でのトークン交換流通の重要性も増すと考えられるという。
このような状況を受け、 トークンを相互に利用できるシステムの構築を目指し、実証実験を実施した。今回は、購入者と店舗が互いに保有するトークンを使い商品やサービスの購入・販売を可能とすることを想定し、トークンの両替を自動で行う機能を用いての交換について実証実験を行った。これには、富士通研究所が開発した技術「コネクションチェーン」を用いている。
なお、カウリーチェーンは、従来のブロックチェーンが複数人で時間をかけて行っていた取引の確定作業を、発行者が管理するサーバのみが行うことにより、これを瞬時に行うことが可能だという。これにより、本来ブロックチェーンが持つ分散台帳システムによる透明性や強固な相互監視というメリットは享受しつつ、新規の取引確定においては「部分的に中央集権化」することで、即時決済を可能にしている。
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ペイメントナビ編集部
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