2021年4月27日8:00
国内BNPL(Buy Now,Pay Later)市場拡大に向けた取り組みとは?
ネットプロテクションズホールディングスとジェーシービー(JCB)は、資本提携を含む業務連携を強化している。「NP後払い」「NP掛け払い」などを提供しBtoCおよびBtoB市場において日本の後払い市場で約5割のシェアを握るネットプロテクションズ(NP)と、日本唯一の国際カードブランドとして国内外に独自の加盟店ネットワークを展開するJCBが互いの知見を共有することで、コロナ禍でますます需要が広がるBNPL市場のさらなる拡大を狙う。ネットプロテクションズ 代表取締役社長 柴田紳氏と、同社 執行役員 秋山瞬氏に、資本提携に至った経緯や提携強化の真の狙い、今後の展望などについて聞いた。
記事のポイント!
①約60億円の第三者割当増資、JCBの出資比率は10.24%
②国内後払い市場におけるシェアは5割と推測
③事業連携の始まりは「atone(アトネ)」の「Smart Code(スマートコード)」連携
④JCBとのタッグでBNPLの推進にさらに弾みを
⑤NPとJCBの利用者層や利用金額等の蓄積しているデータには違いがある?
⑥事業の伸びはさらに増加!後払い市場は広く、限界がどこにあるのか柴田氏自身にも見当がつかない?
国内後払い市場で約5割のシェア
膨大なデータ分析による与信精度の高さに自信
ネットプロテクションズホールディングスは今年2月、ジェーシービー(以下、JCB)を引受先とする約60億円の第三者割当増資について合意したと発表した。この資金調達によって同社に対するJCBの出資比率は10.24%となった。
ネットプロテクションズホールディングスグループのネットプロテクションズ(以下、NP)は、2002年に日本で初めてリスク保証型後払いサービス「NP後払い」の提供を開始し、現在5万7,500店舗以上の通販事業者が導入。このほかにも、BtoC向け会員制決済「atone(アトネ)」やBtoB向け決済「NP掛け払い」などのサービスラインナップをそろえている。国内後払い市場におけるシェアを、代表取締役社長の柴田紳氏は、「あくまで推測だが」と前置きしながら「5割前後」と見る。
市場シェアが5割ということは、データの5割がNPに集まるということ。NPではこれまで2億件の取引データを蓄積し、数十億円を投資して与信の精度を上げてきた。「未回収率を下げるだけならどんどんNGを出せばいいですが、間違った判断をして優良顧客を手放してしまったら本末転倒。当社のサービスは本当に止めるべき取引のみを止め、なおかつ業界内で最も未回収が少ないと自負しています」と柴田氏は語る。
昨今のコロナ禍においてグローバルでECの利用が増え、これにともないBNPL(Buy Now,Pay Later)、すなわち後払いサービスの注目度が高まっている。NPの後払いサービスの利用も、「ECの伸びと呼応して伸びています」(柴田氏)。利用が拡大する中、不正利用が増えたりシステムへの負荷が増加するケースも報告されているが、柴田氏は「リスクが高まったとは感じていません。トランザクションの増加によるトラブルもありませんでした。運用体制を含めてシステムには一貫して投資を続けてきたので、後払いに関して当社は最も強い仕組みを持っていると思っています」と自信を隠さない。
データや知見を共有し互いに補完し合って国内BNPL市場を拡大
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