ネットプロテクションズが電子バーコード請求機能、atoneログインサービスを提供へ

2022年6月30日9:12

「後払い共通インターフェース」でNP後払い、atoneの開発が一本化

ネットプロテクションズは、後払い決済サービス「NP後払い」「atone」のシステム仕様アップデート、および新機能に関する発表会を2022年6月28日に開催した。当日は、ネットプロテクションズ NP後払いセールス統括責任者 高橋啓太氏が登壇し、後払い市場の動向や同社の状況、NP後払いとatoneにおいて一括した開発が可能になる「後払い共通インターフェース」、コンビニエンスストアの収納費用引き上げに対応した「電子バーコード請求機能」、情報入力の手間なく会員登録や決済が可能な「atoneログインサービス」を発表した。

ネットプロテクションズ NP後払いセールス統括責任者 高橋啓太氏

日本における後払いはクレカの代替ではない?
「安心・安全なお買い物」のニーズを意識

ネットプロテクションズは、国内BNPL(後払い)のパイオニアであり、東証プライムに上場している。世界的にも後払い市場は盛り上がっているが、「日本では一括払い、海外では分割払いが選ばれる傾向にあります」と高橋氏は話す。同社は、NP後払いやatoneのBtoC、NP掛け払いのBtoBでサービスを提供している。また、2018年からは台湾でもAFTEEを展開している。高橋氏は「(BtoB,BtoC,海外も含め)幅広い業界で展開しているのは我々のみ」だとした。

海外の後払い市場では、ここ数年で数多くのプレイヤーが参加している。直近ではAppleも参入を表明した。海外で後払いが伸長している背景には、利用者の分割ニーズがあるという。「海外のクレジットカードはリボ払いが前提となっているため、後払いは無金利でクレジットカードの代替として使われています」(高橋氏)。国内では、同社以外にも古くからビジネスを展開している企業は複数社あるが、三井住友カードが参入を発表するなど、プレイヤーは増加傾向だ。

ネットプロテクションズでは、日本における後払いはクレジットカードの代替ではないと考えている。日本ではカタログ通販で一括後払いが展開されており、馴染みのある決済として普及してきた。また、20代~50代まで幅広く利用されている。近年はカタログ通販からEC通販が主流になり、後払いの市場も同様にEC通販市場でニーズ拡大傾向だ。

後払いが利用される理由として、「安心・安全なお買い物」のニーズがあるという。例えば、「使い過ぎたくない」、「好きな情報で買いたい」、「ワンクリックで買い物できる」などの利便性を求めるそうだ。

矢野経済研究所の「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2022年版」によると、後払い市場は、4年後には1.9兆円規模になると予測している。CAGR(年平均成長率)は、EC市場の10%を上回り、15%と高くなっている。

同社の2022年3月末時点での取扱高は3,600億円超で、国内後払い市場の40%のシェアを占める。また、加盟店総数は18万店舗、ユニークユーザー数は1,500万だ。さらに、独自ポイントサービスも展開しており、500万会員を有する。

同社のNP後払いやatoneは、業界ごとの商習慣・スキームに対応するローカライゼーションを強みとし、適応商材・市場を拡大させてきた。例えば、健全性の担保として、継続的な与信技術力の強化に努めている。また、業界団体として、日本後払い決済サービス協会を中心となって設立した。

コンビニエンスストアの収納代金の引き上げ迫る
3サービスで事業者・消費者双方のニーズに応える

国内の後払いのトピックとして、秋にコンビニエンスストアの収納代金の引き上げが控えている。背景として、コンビニ業界における人手不足や人件費の高騰、現金や個人情報の管理の負担増加などが挙げられる。高橋氏は「社会的には取り上げられていませんが、後払いに影響を与える事案です」と話す。国内の後払いは、紙請求を基本とするサービスが多い。請求書を発行する際の費用は利用者、加盟店、後払い決済事業者が負担しているが、引き上がった金額分を誰が負担するのかという議論が起きている。高橋氏は「後払い決済市場は誰が負担しても向かい風。これを追い風として向き合います」とした。

同社では、新たに「後払い共通インターフェース」、「電子バーコード請求」「atoneログインサービス」を発表し、順次提供を開始する。今回の新仕様・新機能は、国内後払い市場の動向と事業者・消費者双方のニーズを見つめた上での、重要な取り組みだとした。

与信審査向上や事業者の対応工数削減でメリット
審査保留やNGの理由を購入者に直接回答可能に

まず、6月28日から提供を開始した「後払い共通インターフェース」により、NP後払い、atoneの2サービスの導入やアップデートに1度の開発で同時対応可能となり、「各サービスの提供価値向上にもつながります」と高橋氏は自信を見せる。従来は、サービスごとに開発が必要だったが、開発が一本化されることで、両サービスをより便利に導入できる。今後は、他のサービスも同時に導入できるようにアップデートしていく。

「後払い共通インターフェース」を提供することで、与信精度向上を含むNP後払いのサービス品質が向上につながる。NP後払いではこれまで、住所、氏名、電話番号だけでは防げない不正利用や、他に情報があれば審査OKにできた取引が存在したが、IPアドレス、端末情報、SNSなどの要素も加わることによって不正検知力が向上し、ブランド毀損リスクが低減する。また、審査通過率もアップする。

さらに、住所不備などの審査保留時の対応工数も削減する。購入者のモーダル上で審査保留の対応が可能となり、加盟店の対応工数が削減、カゴ落ち率も減少する。また、これまでは審査保留やNGの理由を購入者に直接回答することができなかったが、その理由を直接開示することや、同社への問い合わせ誘導が可能となる。

例えば、与信保留・与信NG・追加認証について、利用者の取引画面にモーダル表示することが可能だ。

 

さらに、ポイントによる再購入の促進、送客による新規顧客の獲得、ログインサービスによるかご落ち改善の加速など、「atone」を通じた500万人の会員基盤への販促が容易になるそうだ。

高橋氏は、「後払い共通インターフェース」に接続してもらうことで、後払いがつくる経済圏の提供価値を、継続的に享受してもらえるとした。まずは、ショッピングカート・PSP(決済代行事業者)との連携を強化しており、将来的にNP後払い加盟店約18万店のatone利用を促進することで決済シェア率の向上を狙う。

電子バーコード請求機能でコンビニ収納引き上げ対策
atoneログインサービスは決済導入以外にも提供検討

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