2021年5月10日8:00
国内のイシュアとしていち早くタッチ決済を推進してきたアメリカン・エキスプレス。コンビニエンスストアやスーパーマーケット大手など、利用できる店舗の増加にともなって、2020年はタッチ決済の利用会員数も右肩上がりで増加。サービスの認知度が向上したことと、コロナ禍でスピーディかつ衛生的な支払い手段が求められていることが急拡大の要因となった。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. 加盟店事業部門担当 副社長 印南裕二氏は、加盟店および会員への周知活動を継続して実施し、日本市場におけるクレジットカード決済に占めるタッチ決済の利用比率を、イギリスやオーストラリア並みの8~9割にまで伸ばせるよう貢献したいと抱負を語る。
記事のポイント!
①タッチ決済の利用が急激に増加、2019年1月の30倍以上に
②国内でいち早くカードにタッチ決済機能を搭載
③2020年をアメックスのタッチ決済元年と位置付け
④加盟店、ユーザー双方でタッチ決済はベストなソリューション?
⑤イギリスやオーストラリア並みに利用率を引き上げたい
⑥加盟店と協力して導入後のPRや店員の協力にも注力
2015年にいち早くタッチ決済の提供を開始
自社で新規に発行するカードのほぼすべてに機能を搭載済み
ここへきて、アメリカン・エキスプレス(以下、アメックス)のタッチ決済の利用が急激に伸びている。2019年1月の累積利用会員数(アメックスのタッチ決済を利用したことのある会員の人数)を1とした場合、個人会員では2020年1月に約10倍、同年9月には約20倍、2021年2月には約28倍にまで拡大。法人会員の伸び率はさらに大きく、2020年4月に約20倍、同年9月に約30倍、2021年2月には約52倍となった。個人、法人を合わせた全体では、2021年2月は約31倍と、2019年1月の30倍以上に増えている。
アメックスが日本国内でタッチ決済のサービス提供を開始したのは2015年5月(当時のサービス名は「American Express Contactless」)。ほかの国際ブランドクレジットカードと比べてもかなり早かった。印南氏は、「国内でタッチ決済が使える店舗はほぼ皆無でした。同時期、ほかのブランドは一部店舗でタッチ決済のパイロットを行っていたと記憶しています」と当時を振り返る。だがすでにイギリス、オーストラリアといった海外ではタッチ決済が急速に普及していた。印南氏は「アメックス会員が海外に行ったとき、問題なくタッチ決済が使えるように、まずはカードに機能を搭載しようという決断をしました」と話す。
現在、アメックスがイシュアとして発行するカードのうち、一部提携カードを除いてすべての発行カードにタッチ決済機能が搭載されている。さらに搭載を推し進めるための課題は、国内で普及が進む日本独自の非接触型ICカードの技術方式とタッチ決済が利用できるEMV Type A/Bの両チップを搭載するためのシステム開発やType A/Bチップのコスト増を含めていくつかあるが、タッチ決済の普及の遅れが大きな要因となっている。「国内でタッチ決済を利用できる店舗が増え、ユーザーの要望が高まれば、多少コストが高くてもタッチ決済機能を付加しようと考える提携先が一気に増加すると期待しています」(印南氏)。アメックスはイシュアの顔と、アクワイアラの顔を併せ持つ。アクワイアラとしてはジェーシービー(JCB)とタッグを組んで加盟店ネットワークの拡大を推進しており、こちらの側面からもアメックスのタッチ決済の魅力の増進を図る。
2020年がアメックスのタッチ決済元年
タッチ決済導入加盟店の急拡大
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