2021年5月29日7:00
大日本印刷(DNP)は、本人確認サービスに、「公的個人認証サービス(JPKI)」を活用して、スマートフォン上で非対面かつリアルタイムに本人確認ができる機能を追加し、新たに総合的なサービスとして提供すると発表した。同サービス第1号として、大和証券グループのCONNECTのスマートフォン用証券口座開設アプリに導入し、CONNECT社は2021年5月26日に同アプリの提供を開始した。DNPでは、2025年度に30億円の売上を目指す。
今回DNPが機能追加したサービスから、JPKIを組み込んだスマートフォン用アプリを企業が自社アプリに導入することで、生活者は従来の本人確認書類等の郵送が不要となり、より簡潔な手続きが可能となる。また、サービス導入企業は本人確認のためのバックオフィス業務も削減できるため、サービス提供時間を短縮可能だ。本人確認業務の効率化とコスト削減に加え、利便性向上による顧客満足の向上にもつながるとしている。
DNPでは、2019年から主に本人確認書類と顔写真で本人確認・本人認証をオンラインで完結できる「eKYC総合サービス」を金融機関向けの「口座開設アプリ」や手続き等に導入してきた。「eKYC総合サービス」は、本人確認サービスとBPOサービスとで構成され、生活者が利用するアプリケーションの導入から審査業務までまとめて利用可能だ。申込みから本人確認、サービス利用までを1つのアプリで実現できるため、利用者が操作しやすいサービスを提供している。今回、同「eKYC総合サービス」に、新たにJPKIの機能を追加し、リアルタイムでの総合的な本人確認サービスとして提供する。
特徴として、アプリとしての提供に加え、企業のソフトウェアに組み込むライブラリとしての提供も可能だ。サイバートラスト社の「iTrust本人確認サービス」と連動。JPKIによる本人確認と、申込情報をDNPの口座開設システムで集約するという。
また、eKYCの既存機能では、本人確認書類(対応券種:運転免許証、マイナンバーカード、在留カード)と、顔の自撮り写真とで照合を実施。Web版、SDK版を提供しており、企業等は自社のWebサービスやアプリに組み込むことができるという。さらに、全国13カ所のBPO拠点で、本人確認書類の目視審査等の業務を代行する。
CONNECTでは従来、口座開設の申込時に生活者がスマートフォンとPCのWebブラウザから本人確認書類等の画像をアップロードし、ログインに必要な情報を転送不要の簡易書留郵便で通知していた。今回、従来の方式に加えてDNPが開発した「口座開設アプリ」を導入。生活者は本アプリを利用することにより、マイナンバーカードのICチップ内の電子証明書を利用し、口座開設申込みが可能となる。また、2016年1月1日以降、新たに証券会社と取引する投資家は口座開設時にマイナンバーを証券会社に提供する必要があるが、「口座開設アプリ」を利用することで、マイナンバーの提供も同時に完了する。
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ペイメントナビ編集部
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