2021年6月23日10:36
決済代行サービス等を提供するROBOT PAYMENTが主体となり、賛同企業と共に経理の新しい働き方を共創するプロジェクト「日本の経理をもっと自由に」は、2021年6月22日、Peppol(ペポル)を用いた電子インボイスの普及に向けた官民連携イベント「日本の経理をもっと自由にサミット」をオンラインで開催した。
当日はまず、ROBOT PAYMENT 代表取締役社長 清久健也氏が開会の挨拶を行った。ROBOT PAYMENT(旧J-Payment)は、2000年にインターネット決済サービスとして創業し、お金周りの課題を解決するサービスを提供している。同社では、請求管理業務を効率化するクラウドサービス「請求管理ロボ」を開発し、複雑化する請求や債権業務を解決し、生産性向上を支援している。また、50社とともに立ち上げたプロジェクト「日本の経理をもっと自由に」では、経理1,000人の声に基づいた、定型業務や月末等多忙時期の偏り、紙 ・ハンコ文化からテレワークができない、という経理の業務課題を解決すべく、184万人の経理業務のデジタル化の実現を目指している。新型コロナウィルスの関係で在宅ワークが増えているが、その一方で経理業務を行う約7割の人が出社していたという。
なお、「日本の経理をもっと自由に」は、PR Awards Asia 2021(主催:ヘイマーケットメディアグループ)において、covid-19内部コミュニケーション部門、広報部門の2部門で最高賞となるゴールドを受賞した。2部門での同時受賞は日本で唯一の受賞となり、国際的な評価を得たそうだ。清久氏は「経理の新しい働き方の活動が評価されました」と成果を述べる。
続いて、「プロジェクト変遷と新たに見えてきた課題」について、ROBOT PAYMENT 執行役員 フィナンシャルクラウド 事業部長 藤田豪人氏が紹介した。新型コロナウィルスの影響で、テレワークが普及し、緊急事態宣言以降もテレワークを続ける企業が増えている。一方で経理に限定してみると56.6%は在宅勤務ができないという結果となった。また、働き方は変わらない人は83.4%と多い。経理・財務のIT化は遅れており、特に紙の業務が阻害要因になっているとした。また、9割が電子化したいという希望を持っているが、企業に提言できていない。
「日本の経理をもっと自由に」では、2020年10月1日に改正された電子帳簿保存法施行を前に、同年9月30日には、経済産業省に“経理の働き方改善”に関する嘆願書を提出している。今回のサミットは、理担当者間の業務負担を軽減することが期待される請求書の統一規格「Peppol(ペポル)」の初版が、2021年6月に日本で公開されることを踏まえ、官民連携で実施した。
Peppolは、売り手と買い手を汎用的に接続する仕組みで、電子インボイス推進協議会(EIPA)では、日本国内における電子インボイスの標準仕様 を国際規格「Peppol」に準拠して策定する。すでにシンガポールなど、「Peppol」に基づく電子インボイスの国際的な活用が進んでおり、利用者も徐々に増えている。
EIPA 代表幹事法人 弥生株式会社 代表取締役社長 岡本浩一郎氏によると、2023年10月のインボイス制度開始に先立ち、EIPAでは1年前となる2022 年秋に事業者が電子インボイスに対応したソフトウエアを使用できる状態を目指している。
当日は、「我が国のデジタル改革について」と題し、デジタル改革担当大臣 平井卓也氏がビデオメッセージを寄せた。また、内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 参事官補佐 加藤 博之氏、岡本氏、マネーフォワード 執行役員 サステナビリティ担当 CoPA (Chief of Public Affairs) Fintech 研究所長 瀧 俊雄氏、藤田氏がトークセッションを実施。
さらに、「日本の経理をもっと自由に」アワードとして、優秀な取り組みを行う企業を表彰した。プレゼンターは小泉孝太郎氏が務めた。