2021年7月26日16:24
ジェーシービー(JCB)とLayerXは、次世代金融とプライバシーに関するコンセプトペーパーを共同で作成し、2021年7月26日公開したと発表した。
2021年12月より、JCBとLayerXは、複数企業間をつなぐ次世代BtoB取引履歴インフラに関する共同研究を開始した。業種や業界を超えた取引情報の共有については、データ保護、 プライバシーの観点から、取引情報の閲覧権限を主体毎に柔軟に設定可能な仕組みが情報の提供者に求められることに加えて、与信情報の照会・確認等に必要となるデータ演算を、データを秘匿したまま行う高度なプライバシー技術が要求されるという。そのため、両者では、取引履歴の管理をはじめとする次世代の金融取引を展望した上で、秘匿化・プライバシーの確保を通じて可能になるとみられるコンセプトについて取りまとめ、コンセプトペーパーとして整理した。
同検討においては、明治大学政治経済学部教授小早川 周司氏、およびナッジ代表取締役社長沖田 貴史氏の協力を得たという。
コンセプトペーパーでは、秘匿化によって可能となる、プライバシー保護とデータ利活用の両立にむけたユースケースとして、 「1.取引トラッキング」「2.決済データ秘匿化とAML」「3.決済履歴データの利活用」「4.デジタルID基盤」および「5.組織間連携ペイメント」を挙げている。これらユースケースの実現にむけた技術的手段として、 LayerXでは次世代のセキュリティ・プライバシー保護技術「Anonify」の研究開発を進めている。 Anonifyは、 PCやスマートフォンなどの端末に備えられたプロセッサのセキュリティ機能である「TEE」を応用し、データ利活用とデータ保護の両立を実現する秘匿化ソリューションであり、 データを秘匿化したままさまざまなビジネスロジックを実行可能な点が特徴だとしている。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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