2021年10月19日8:30
ジェーシービー (JCB)は、デジタルガレージと協力し、2021年8月23日~9月30日まで、オリックス・バファローズ主催試合開催日の京セラドーム大阪施設内および、映画館の渋谷HUMAXシネマ/池袋HUMAXシネマズ、高田馬場の文房具店CHIKUHOにて、NFC(Near Field Communication)タグを活用した非接触決済サービスの実証実験を行った。実験の成果について、JCBとデジタルガレージに話を聞いた。
記事のポイント!
①JCBは社内売店や「SMALL WORLDS TOKYO」でNFCタグ活用を検証
②デジタルガレージはエンドユーザー向けWEBページ、加盟店向けのアプリをそれぞれ開発
③NFCタグはセキュリティの高い製品を使用
④JCBは実証実験で一定の成果
⑤加盟店側の使いやすさに改善の余地があり
⑥今後のNFCの活用は?
⑦第二フェーズの開発をして、商用化のフェーズへ
JCBのNFC活用は商用化の一歩手前の段階に
Apple Pay限定の支払いに
NFCタグは、iPhoneなどのスマートフォンをかざすだけで、Webブラウザに送客可能だ。JCBでは、2020年に社内売店で実施するGoogle PayとApple Payを利用した実証実験を行った。2021年4月20日~6月21日には、東京・有明にある「SMALL WORLDS TOKYO」施設内でデジタルスタンプラリーを検証している。今回のデジタルガレージとの実験も含め、「世に出せる前段に持っていくことができました」とジェーシービー ネットワーク部/ネットワーク開発G 主任 落合航佑氏は成果を述べる。例えば、NFCは電源が不要で、NFCタグ1枚を設置するだけで済む。落合氏は「機械が設置できなかった場所や導入コストを理由にキャッシュレスに踏み出せない加盟店に対してアプローチしていくことができます」と期待する。
デジタルガレージ マーケティングテクノロジーカンパニー CRMストラテジー本部WEBストラテジー部 マネージャー 阿部健史氏によると、同社ではエンドユーザー向けWEBページ、加盟店向けのアプリをそれぞれ開発したという。
京セラドームとCHIKUHOでの実証実験では、ユーザーがNFCタグをスマートフォンで読み取り自ら金額を入力してApple Pay(JCBとAmerican Expressブランド)で決済する仕組みを提供した。ヒューマックスシネマでは、店舗に設置のNFCタグにスマートフォンをかざして、メニューから商品を確認し、必要な個数を入力してカートへ入れ、商品や合計金額を確認後、Apple Payで決済する流れとなる。今回はApple Pay限定の支払いとなったが、「ユーザーが比較的多いiPhoneに固定して短期的に作り、世に出すスケジュール感を優先しました」と落合氏は話す。なお、Apple Payの決済はデジタルガレージグループの、DGフィナンシャルテクノロジー(旧 ベリトランス)が展開する決済機能と接続する形だ。デジタルガレージでは統一型QRコード決済「クラウドペイ」を提供しており、そのノウハウを生かし、スピード感をもってサービスを開発した。
加盟店向けには、Androidのアプリを開発。消費者が注文や決済を行った通知が加盟店のAndroidアプリに届き、何のメニューを注文したかを把握可能だ。
プライバシー保護に特化したNFCタグを使用
実証実験の件数や運用で成果
今回使用したNFCタグは、セキュリティの高いタグを使用している。落合氏は「セキュリティタグで安全な環境を作っています」と話す。消費者がスマートフォンで読み取った情報は、アクアビットスパイラルズの認証サーバを経由してデジタルガレージのサーバに届けられる。
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