2023年9月22日7:50
ナッジは、クレジットカード「Nudge」を提供して2周年を迎えた。同社では、日本のキャッシュレス普及率の鍵となる「Z世代のFinantial Inclution(金融包摂)」に取り組んでいる。現在、利用者の7割がZ世代(1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代)となり、10代が3分の1を占めるという。
メインカード化で成果
平均利用回数は20代平均の1.6倍
ナッジは、1年半の準備を経て、「Nudge」発行開始から2年が経過した。同社では、「ひとりひとりのアクションで未来の金融体験をつくる。」をミッションに、事業に取り組んできた。サービス展開では、オープンイノベーションを積極的に活用。累計調達額は35億円に達しているが、投資家に加えパートナーとしてサービスを構築している側面もあるという。
日本でも非現金決済は徐々に進んでいるが、インフキュリオンの調査によると、クレジットカードの利用率は60代の90%、20代の73%に比べ、10代は24%となっている。ナッジ 代表取締役社長 沖田貴史氏は「10代、20代の利用率が低いことがキャッシュレスがゆっくりとしか進まない原因」であるとした。
Nudgeは1枚から入会金・年会費が基本無料のVisaクレジットカード作ることができる。申し込みはアプリに限定しており、スマホ連動型で、デジタルネイティブに使いやすいクレジットカードを発行可能だ。カードの利用状況はリアルタイムにアプリに反映され、不正利用の調査は1クリックで、その他の問い合わせはテキスト形式で行える。安心・安全を意識しており、AIを用いた不正利用防止システム(VRM)での管理、スマホアプリ起動時には生体認証を実施。最大10万円の利用枠の範囲でクレジットカードの利用が可能だ。
推しやファンマーケティングと連動しており、現在、スポーツチームやアーティストなどの100以上ある「クラブ」から自分の好きなものを選んで入会できる。スポーツやエンターテイメントに加え、自治体や社会貢献のクラブもある。また、web3領域では、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)をリワードとして受け取れる仕組みも行っている。
沖田氏は「メインカードとして使われており、クレジットカードと金額は変わらず頻度は10.3回と20代平均の1.6倍利用されており、満足度(97.3%)が高い」とした。
10代は1年前に比べ50倍に成長
Z世代と連携したビジネスを構築
Nudgeの保有は成人に限っており、2022年3月までは20代以上しか申し込みできなかったが、2022年4月の成人年齢引き下げ以降は、18歳以上から申し込みが可能となった。Nudgeはキャッシング機能が付いていないため高校生も申し込める。若年層の取り込みとして、クラブ機能を活用し、主に大学を対象とする「直営クラブ」を開設。カードのバリエーションも幅広いデザインカードを準備した。
2023年春以降は、新しい機能やデザインが評価されたこともあり、10代、20代の増加ペースが加速している。サービスの開始当初は、20 代、30代、40代、50代以上が4分の1ずつだったが、2023年8月末で10代が38%、20代が33.9%となり、合わせて70%を占める。
10代は、1年前に比べると50倍の成長があり、今春に比べても5倍の成長となっている。
Z世代は、デジタルネイティブ世代となり、物心ついたときからスマートデバイスを使っている。また、タイパ重視で、多様な価値観を持っているという。
そういった10代ユーザーへのアプローチとして、利用履歴や金額が見れるようにして、ファーストカードの不安をカバーしている。また、セブン銀行、口座振り込み、口座引き落としと返済方法を選んでもらえるようにした。また、プリペイドカードやBNPLは利用できる加盟店もあるが、Visaクレジットカードにより幅広い加盟店で利用できるメリットもあるという。
なお、アプリは利用回数が多いユーザーが見やすく支出管理できる仕掛けを用意している。また、レシートをアップロードできる機能も付帯している。
また、Z世代の特徴を把握するため、ファンミーティングを開催。データだけでは分からない生の声(Insight)を収集している。Nudgeのプロモーションについても監督・出演者ともに、学生・Z世代であり、プロシューマーとして共同でサービスを設計したという。さらに、高校や大学で講義を行うなど、金融教育にも力を入れている。
クレカに加え、NFTデビューにつなげる
日本のプリカ&BNPLの金利やプロモに警鐘鳴らす
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