東京メトロと東京都交通局がWeChatミニプログラム「旅日」で「Tokyo Subway Ticket」を販売した理由とは?

2023年11月15日8:00

東京メトロと東京都交通局は、2023年11月14日、WeChatのミニプログラム「旅日(たびにち)」で、都内の地下鉄全線が乗り放題の「Tokyo Subway Ticket」の販売を開始。同日、都内で共同記者会見を行った。これにより中国人旅行客は、旅マエか来日後かにかかわらず、使い慣れたWeChatアプリから乗車券を購入・決済し、スマホに表示される引換え用のQRコードを都内の地下鉄の駅の券売機にかざすだけでチケットを発券できるようになる。東京都内の移動のストレスを軽減することで、中国人旅行客に快適な旅行体験を提供し、日本のファン、リピーターの増加につなげたい考えだ。

左から、リンクビリティ 代表 孔 成龍(こう せいりゅう)氏、京成電鉄 鉄道本部 計画管理部長 松本 直範氏、Tencent Japan WeChat Pay 北東アジア ゼネラルマネージャー CeCe Wang(しし わん)氏、東京地下鉄 鉄道本部 CX・マーケティング部長 川上 幸一氏、東京都交通局 電車部長 神永 貴志氏

WeChatで日本の交通機関の乗車券が買える
中国人旅行客に向けた国内初の事例

東京地下鉄(以下、東京メトロ)と東京都交通局は、11月14日より、東京都内の地下鉄全線乗り放題の旅行者向け乗車券「Tokyo Subway Ticket」の、WeChat(微信)のミニプロブラム「旅日(たびにち)」内での販売を開始した。「旅日」での、日本の鉄道事業者の乗車券の取り扱いはこれが初めてとなる。

WeChatはTencentが開発した、中国国内で広く利用されているメッセンジャーアプリで、2023年度第二四半期の月間アクティブユーザー数は13億2,700万人以上。決済件数は2018年時点のデータで1日当たり10億件以上。コロナ禍初期と比べて、日本での新規マーチャントは226%に増加、決済件数は342%に増加しているという。「旅日」は、リンクティビティが提供する、WeChat内における訪日旅行者向けミニアプリで、2023年度第二四半期の月間アクティブユーザー数は11億人に上っている。

「Tokyo Subway Ticket」は、国内外からの旅行客向けに提供されているお得な乗車券で、使用開始から24/48/72時間、東京メトロおよび都営地下鉄の全線が乗り放題になる。24時間券は800円、48時間券は1,200円、72時間券は1,500円で販売。また、これを提示すると、首都圏230以上の施設で割引やプレゼントなどの特典を受けることができる。

ミニアプリ「旅日」から購入・決済
券売機ではQRコードをかざすだけ

「旅日」で「Tokyo Subway Ticket」を購入するには、オフラインとオンライン、両方の入り口が用意されている。ひとつは、都内地下鉄各駅に掲出されたポスターのQRコードを読み取り、「旅日」にアクセスする方法。もうひとつは、WeChat公式チャネル、または、WeChatアプリから「旅日」を検索してアクセスする方法だ。

押上駅構内に設置されたポスターと案内板。スマホで円形のQRコードを読み取ると、WeChatのミニプログラム「旅日(たびにち)」のチケット購入ページにリンクする仕組み

「旅日」にアクセスしたら、プラン(有効期間)と人数などを選択、入力し、注文を完了。すると、チケット引換え用のQRコードが送付されるので、これが表示されたスマホ画面を東京メトロおよび都営地下鉄の主要104駅に設置してある旅行客向け券売機のQRコードリーダーにかざし、チケットを発券する。発券可能期間は購入から1年間となっている。

スマホに表示されるQRコードを券売機にかざして乗車券を発券する。初回に改札を通った時刻から、乗車券が有効な時間のカウントが開始される

また、「旅日」では、京成電鉄が提供する「スカイライナークーポン」の販売も併せて開始している。京成電鉄 鉄道本部 計画管理部長 松本 直範氏は、今回の提携により、中国人旅行客のスカイライナーの利用がこれまで以上に増加することを期待していると述べた。

「Tokyo Subway Ticket」は、24時間券が800円、48時間券が1,200円、72時間券が1,500円となっている

WeChat Pay利用可能店舗は着実に増加?
首都圏を皮切りに全国への拡大を目指す

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