2011年5月11日8:00
ポイント機能付きメンバーズカード「SAMANTHA Member’s Card」を発行
統一のカードで顧客へのサービスを強化し、CRMに活用
サマンサタバサジャパンリミテッドは、バッグとジュエリーを中心に複数のブランドを展開している。同社では、2010年3月から、ギフト・プリペイド事業を展開するレピカと提携し、ブランドごとに発行していた紙製ポイントカードを、グループ全体の顧客サービス向上のために、各ブランドで共通して使える「SAMANTHA Member’s Card」に切り替えた。
取材対応者:サマンサタバサジャパンリミテッド 店舗運営部 販売支援課長 黒澤弘幸氏
カード会員は34万人
メール配信希望者は7万2,300人
サマンサタバサジャパンリミテッドは、全国に展開する店舗の内、約180店舗でポイント機能付きメンバーズカード「SAMANTHA Member’s Card」を発行している。カードのデザインはシルバーにブランドロゴが銀箔で散りばめられたサマンサタバサらしい高級感ある仕上がりでブランディング効果も見込めるという。
新メンバーズカードはグループ内の「サマンサタバサ」「サマンサタバサニューヨーク」「サマンサタバサデラックス」「サマンサベガ」「バイオレットハンガー」「サマンキングズ」「サマンサタバサプチチョイス」「サマンサティアラ」「サマンサシルヴァ」の各ブランドで共通して利用が可能だ。従来のポイントカードの場合は、各ブランドのみでしか利用できなかったが、それを統一することにより顧客へのサービスを強化するのが同社の狙いだ。
同カードは1,000円ごとに1ポイント貯まり、150ポイントごとに1万円以上の商品1点につき5,000円分の割引を受けることができる。 2010年3月末現在、カードの付与対象となる顧客は約34万人。顧客が店舗で買い物をした時にのみカードを配布し、PCやケータイから登録してもらう仕組みとなっている。現状、会員に登録した人は11万6,000人となっており、メールマガジン配信の希望者は7万2,300人を超えた。通常、配布型のポイントカードの登録率は20~30%程度であるというが、同カードの登録率は3月末で34.2%と非常に高い数字となっており、この結果は多くの顧客に理解されたからこそであると感じている。なお、カード発行のペースは月に2万5,000枚程度であり、2010年12月のクリスマス時期は4万枚の枚数を配布した。
年間30万円の購入で
プレミアムメンバーにランクアップ
同社では数多くのリピーターを抱えており、今後売上を伸ばしていくためには個人の買い上げ率を高めていかなければならないとしている。そのため、メンバーズカードのサービスにより、同社のファンとしての想いをさらに高める方針だ。
前年4月1日~3月31日の期間の累計金額が年間30万円以上に達した顧客に対しては、プレミアムメンバーの資格を得ることができる(バーゲン品などの購入は除外)。プレミアムメンバーに対しては、名前入りのチャームやスイーツなど、特別な特典を誕生日やクリスマスに贈っている。また、店舗では送料が無料になる。同社では、すでに500人弱のプレミアムメンバーを抱えているが、その会員を如何に増やしていくかを命題に取り組んでいる。
その1つの施策が、2010年9月から配信を行っているメールマガジンの活用だ。これは、レピカのシエラエンジンとラ・ポスタを利用し、フェアや企画などがある際にメールでアプローチするものだ。メール配信のタイミングも顧客の心理面を考慮し、金曜日の昼など、週に最大2回までにとどめている。
すでに同社の店舗スタッフからは、「メールマガジンを見て購入につながった」という声が多く寄せられているなど、一定の成果を生んでいる。
カードによる囲い込みで成果
ブランドごとにさらなる差別化が課題
⇒⇒以降の記事はカードマーケティングガイドに掲載します。