2026年3月10日9:00
和田 文明
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プロフィール キャッシュレス、電子マネー関連のジャーナリスト/ライター、主に欧米、アジアのセキュリティを含むキャッシュレス情報、カスタマーロイヤルティプログラム情報を取材 |
“欧米のインターチェンジフィー(交流手数料)”の第2回目は、アメリカのインターチェンジフィー(交流手数料)規制について紹介してみたい。アメリカは、世界で最もインターチェンジフィー(交流手数料)率が高い市場の1つであり、特にクレジットカードとオフラインデビットカード(チェックカード、ブランドデビットカード)のインターチェンジフィー(交流手数料)に対する規制構造が完全に分離されているという点で特異である。

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Index 欧米のインターチェンジフィー(交流手数料) 1、インターチェンジフィー(交流手数料)とは 2、アメリカのインターチェンジフィー(交流数料)規制 3、ヨーロッパのインターチェンジフィー(交流手数料)規制 4、インターチェンジフィー(交流手数料)のアメリカ・ヨーロッパ・日本比較 5、ヨーロッパのカード加盟店(Merchant)が“アメリカのインターチェンジフィーを理解する”
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1960年代後半に、Visa(当時、Bank Americard)とMastercard(当時、Mastercharge)が標準化されたインターチェンジフィー(交流手数料)制度を導入した。カード発行銀行(Issuer)がカード加盟店(Merchant)の決済リスクや処理コストを補填する目的で設定された。現在では、アメリカのインターチェンジフィー(交流手数料)は数百種類の細分化された料率が存在し、カードの種類・カード加盟店の業種・取引額などで変動する仕組みである。 |
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インターチェンジフィー(交流手数料)の始まりは欧米で共通しているものの、その後のインターチェンジフィー(交流手数料)規制の介入により、インターチェンジフィー(交流手数料)の構造と経済的役割が欧米で決定的に分かれている。 |
クレジットカードとデビットカードのインターチェンジフィー(交流手数料)の分離
アメリカのペイメントカードの決済市場には、インターチェンジフィー(交流手数料)に関して、「クレジットカード」「デビットカード」という二つの異なるゾーンが存在する。
・クレジットカード
クレジットカードインターチェンジフィー(交流手数料)は、連邦政府による規制上限はなく、国際カードネットワーク(VisaやMastercard)と発行銀行間の協定、および市場競争原理によって設定されている。このインターチェンジフィー(交流手数料)は、カード発行体であるカード発行銀行(Issuer)が提供するリワードプログラム(キャッシュバック、ポイント、特典など)の主要な資金源となるため、高水準で推移する傾向がある。アメリカの平均的なクレジットカードインターチェンジフィー(交流手数料)は、Visaで約1.97%、Mastercardで約1.79%であり、プレミアムリワードカードでは取引額の3.0%を超えることもあるといわれている。
・デビットカード
デビットカードインターチェンジフィー(交流手数料)は、2010年に制定されたダービン修正条項(Durbin Amendment)により、厳格なコストベースの規制下に置かれている。ここでいうデビットカードとは、VisaやMastercardブランドのオフラインデビットカードを指す。
デビットカード規制:ダービン修正条項(Durbin Amendment)
ダービン修正条項は、2010年ドッド・フランク金融改革法の一部として可決され、FRB(連邦準備制度)に対し、資産規模が100億ドル(約1兆5,000億円)を超える大規模発行体(Issuer)(アメリカの全デビットカード取引の約3分の2を占める)が徴収するデビットカードインターチェンジフィー(交流手数料)を、取引処理コストに対して「合理的かつ比例的」な水準に制限する権限を与えている。
規制上限の初期構造(2011年適用)
FRB(連邦準備制度)が2011年10月1日に施行した初期の規則では、インターチェンジフィー(交流手数料)のキャップ(上限規制)はハイブリッド方式で設定された。
・ベースコンポーネント: 21セント(定額部分)のトランザクションフィー
・アドバロレムコンポーネント: 取引額の0.05%(定率部分)のディスカウントフィー
・不正防止調整: 特定の不正防止措置を講じた発行体(イシュアー、カード発行銀行)には、追加で1セント(約1.5円)のトランザクションフィーが許可された
これにより、平均的なデビットカード取引額(約38ドル、約5,700円)に対して、インターチェンジフィー(交流手数料)の上限は約24セント(約36円)となった。
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