2024年5月9日15:24
ネットスターズは、金融業界向けの次世代取引処理インフラとして開発されたWeb3.0基盤「Tusima(つしま)」のブロックチェーンネットワークでのPOC(Proof of Concept)実証実験に成功したと発表した。
ネットスターズは、次世代の決済インフラにおいて主導的な役割を果たすべく、Web2.0とWeb3.0の技術的境界を越えた新たなインフラ構築を目指している。これまで提供している顧客ニーズに応える決済ソリューションに加えて、今後さらにWeb3.0の可能性を最大限に活用し、利用者に付加価値の高いサービスを提供していくため、同実証実験を行った。同実証実験は「Tusima」に、Web2.0での同社決済データに相当する負荷を加え、Web3.0環境において安定的かつ安全に決済データ処理が可能なことを検証するプロジェクトであり、同社は2.19億件に及ぶ大規模データを成功裡に処理したという。
同実証実験結果は将来的に決済環境およびデータ処理環境におけるブロックチェーンの可能性を探る重要な一歩であり、今後、同社はWeb2.0とWeb3.0の技術融合について、研究開発を推進するそうだ。
今回の実証実験では、すべての決済取引データの、分散化によるデータ共有を実証した。また、改ざん防止とデータ復旧のためのリアルタイム照合とイレギュラーケースにおけるアラート発出を実証したが、いずれの検証も成功したという。
また、同実証実験では、最高TPS(Transactions Per Second)1万2,000、半年間で2.19億件を処理した。同実証実験は半年間に亘り複数の負荷テスト・ハッキングテストなどを実施し、大きな問題なく安定した運営を維持したそうだ。
さらに、TEE(Trusted Execution Environment)技術を活用し、決済取引データの安全性を高める新しいアプローチを採用した。なお、同実証実験において使用された決済取引データはTEE技術により、仮想決済データ処理をされた、完全にプライベートかつダミーデータであるとした。
なお、「Tusima」はイギリス オックスフォード大学の博士号を修了した同顧問でもある、Ruan Anbang(ルアン アンバン)博士以下チームが開発したRWA DAPP環境を含むWeb3.0の基盤システムであり、コンセンサスメカニズムにより取引の安全性と信頼性を確保しており、網羅的なデータの暗号化を含め、民間レベルで最高のセキュリティ機能と保証レベルである EAL4(Common Criteria EAL4) に準拠し、強力なプライバシー保護を実現する次世代システムだという。非中央集権型の分散型ストレージシステムによりデータの耐久性と高い可用性が期待される基盤システムだ。
ネットスターズは、同実証実験を通じて、金融業界におけるブロックチェーン技術の応用可能性が飛躍的に高まる成果が得られたと捉えている。同社顧問に新たに就任したRuan Anbang(ルアン アンバン)博士、Wei Ming(ウェイ ミン)博士とともに、革新的で安全なマルチキャッシュレス決済ソリューションをさらに進化させるべく、画期的なインフラの構築を目指す。