2024年7月8日7:55
セブン‐イレブン・ジャパンは、2024年7月4日に商品配送サービス「7NOW」の事業戦略説明会を開催し、リアルタイム在庫連携を活用した約 3,000 アイテムの品揃えに加え、最短 20 分で焼きたてピザも配送すると発表した。同社では、2万1,566店舗(2024年6月末)ある生活にみっチャック下店舗網を在庫拠点として活用し、近くて便利な商品配送サービスとしての成長を目指す。今後は電子マネー「nanaco」からのチャージなど、決済手段の拡充も検討するそうだ。
池谷貴
客単価は店舗の3倍、買上点数2.7倍
手のひらにセブン‐イレブンを
「7NOW」は、専用のアプリケーション、もしくはWebサイトから利用者が注文することで、セブン‐イレブンの商品を購入可能だ。利用者が商品を注文すると、店舗受注端末で商品をスキャンして売り場から商品を確保する。提携業者の中から注文をキャッチした配送員が来店して商品を集荷し、最短20分で利用者に届けることが可能だ。希望店舗では、一部加盟店による配送も実施。品揃えは店舗と同等の約3,000アイテムとなり、「セブンCENTRAL」経由でリアルタイムの在庫連携が可能だ。最低注文金額は1,000円(税抜き)からとなり、9時から23時に届ける(エリアによって例外あり)。利用者のオンライン支払いは、クレジットカードとコード決済で行うことが可能だ。
7NOWは現在の1都1道14県の約1万2,000店に加え、2024年8月より関西2府4県、山口県、鳥取県、福島県を追加して約1万6,000店舗に展開する予定だ。
7NOWの売上は、2023年度は2022年度対比で358.3%と伸びている。また、2024年3月~5月(第1Q)の前年同期比の比較でも332.1%増となった。セブン-イレブン顧客の客単価は752円だが、7NOWは約3倍の2,234円となっている。また、買い上げ点数も店舗が3.22点のところ、2.7倍の8.57点となった。
セブン‐イレブン店舗は全国に2万1,566店舗(2024年6月末)あるが、「この近くにある便利なお店をお客様に一番近い在庫拠点という風に考えています」とセブン-イレブン・ジャパン 企画本部 ラストワンマイル推進部 マネジャー 由井大輔氏は話す。手軽な送料やサービス料で、全国津々浦々にある店内ほぼ全ての商品が最大20分、朝9時から夜23時までに届けられる。また、買い物はスマートフォンへ移行しており、“手のひらにセブン‐イレブンを!”と考えて、サービスを推進している。
女性が65%、20~40代の利用が中心
最短20分でピザなどを配送
セブン‐イレブン店舗の利用者は男女比が半々で40代、50代が多いが、7NOWは女性が65%を占め、仕事や子育てで忙しい20~40代女性の利用が目立つ。
利用者の傾向として、利便性重視・時間を買う「タイパ志向」が38%、買い慣れた商品を購入したい人が28%、体調不良や怪我、買い物困難な状況にある人が25%、子供・両親・介護など家族にまつわる要因が10%となった。
オリジナルサイトや店舗端末のこだわりとして、リアル店舗にいるかのような商品の佇まいを意識し、アプリケーションを開発している。店舗端末は商品を探しやすく、スキャンするだけで商品の相違がないかを確かめられるようになっている。また、お店から商品をピッキングすればそのまま商品が売り上げに連携されるのも特徴だ。実際に店舗からも操作面の簡単さは好評を得ている。
売れ筋商品は揚げ物が上位を占めており、熱々に興味・関心が高いこともあり、焼き立てのピザの店舗を拡大していく。7月4日現在、東京、神奈川、千葉、埼玉の約30店舗でテストしているが、8月には九州や北海道など全国200店舗に拡大する方針だ。こだわりの素材を1枚ずつ手作業で生地を伸ばし、ピザ職人が作る本格ピザのように仕上げているという。熱々のピザを、アイスクリームや冷凍食品、お酒、日用品などと一緒に利用者に届けられる点は強みだ。
配送については、複数の業者との連携で拡大している。また、加盟店配送員を希望する店舗については、想定よりも要望が多く寄せられているそうだ。店舗にとっては、顧客接点を確保できるメリットがある。また、同社にとっては、ピッキング後の配送時間が早い、配送エリアが広がるといったメリットがある。
ワン・トゥ・ワンの展開を強化
「nanaco」はポイント利用から対応
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