不正対策・サブスク・プラットフォームをキーワードに Stripeがデジタル経済の業界動向を報告

2024年10月9日8:30

全世界に23拠点を置き、135通貨に対応する決済プラットフォーム事業を展開するStripe(ストライプ)が、デジタル経済における業界動向を報告。併せてStripeの最新プロダクトを紹介した。

ストライプジャパン テクニカルアカウントマネージャー 今泉 徹氏

カードの不正利用を阻止するために
販売機会ロスが生まれるジレンマ

認知、関心、検討と進む、マーケティングのファネル。この最終段階である決済の場面で、入力の煩雑さなどにより68%の顧客が離脱。さらには全世界で年間7兆円以上の不正利用被害が発生。その一方で、オーソリを得られず拒否された決済のうち58%は、正当に成立するはずの取引だったというデータがある。


決済プラットフォーム事業を展開するStripeでは、この課題解決の手段として、購入フローの最適化、適正な不正対策、最先端のカードプロセッシングといった技術を提供。同社の調べによると、「これらの対策に投資することによって、売上が11.9%改善することがわかっている」とストライプジャパン テクニカルアカウントマネージャー 今泉 徹氏は話す。

特に国内の不正利用については、非対面のオンライン決済の増加にともない被害額が急増。2023年には540億円超に上った。不正の手口は巧妙化かつ複雑化。Stripeが行った調査によると、64%の企業が「不正利用対策が困難」と回答、75%が「手作業による運用コスト増を経験」している。


不正利用が増えるとクレジットカード会社は決済の承認基準を厳しくする。結果、本来正当な決済だったにもかかわらず拒否されたことによる年間売上損失額は、グローバルで66兆円。不正利用の疑いで支払いを拒否された経験のある人は75%。そのうち40%が、今後その企業からは購入したくないと回答した。

不正を100%ブロックし、正当な取引を100%成立させることは、理想ではあるが、不可能。不正対策と販売機会ロスの低減はトレードオフの関係にあり、このバランスをどう取るかが、企業の思案のしどころだ。

3-DSとソリューションで不正に対抗
Stripe Radarは2.0に対応済み

経済産業省は2025年3月末までにECサイトへの3-Dセキュア2.0の導入を必須とした。Stripeはいちはやく2022年10月までに3-Dセキュア2.0の対応を完了。Stripeで3-Dセキュア1.0を利用していた企業は、追加対応の必要なく、自動的に3-Dセキュア2.0への移行を終えている。

Stripeでは3-Dセキュア2.0と、Stripe Radarの併用で不正対策をとることを推奨。Radarは決済と連動した不正対策ツールであり、各取引に対してスコア判定を行う。スコア判定に使うシグナルの種類は多様。過去の決済実績、不正の有無のほか、Webサイトの閲覧状況、IPアドレスなど数百の情報を用いている。

加えて各企業が独自にルールを書き加えることも可能。企業の担当者がルールを書くにあたって、過去に狙われていた取引の特徴を知らせたり、AIが実際の書き方を提案したりするアシスト機能も備えている。

ルールにヒットした取引に対しては、ブロックをかけたり、許可したり、3-Dセキュアの追加認証を要求したり、追跡するためのフラグを付けたりと、多様な対策をとることができる。

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ストライプジャパン ソリューションアーキテクト 安倍 草平氏

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