アダストリアがID/ポイントのオープン化など経済圏拡大へ、楽天ポイント付与やA2A決済などに取り組む理由とは?

2024年10月29日9:00

アダストリアは、2024年10月23日に記者説明会を開催し、1,800万人を超える会員基盤を持つ「and ST」を物販のECサイトから「ファッショントータルプラットフォーム」へと進化させると発表した。and STでは、「and STポイント」「dポイント」に加え、「楽天ポイント」に対応し、トリプルポイントが同時に貯まるサービスとなる。また、デジタルとリアルの融合の究極の体現場所として、OMO型店舗「and STストア」の出店を拡大、2025年には旗艦店の出店を予定する。さらに、みんなの銀行の金融機能・サービス活用の協議を開始し、銀行口座直結のA2A決済やポイントの現金化など、お金のやり取りもアップデートさせる方針を示した。

左からアダストリア ビジネスプロデュース本部副本部長 田淵淳也氏、執行役員マーケティング本部長兼ドットエスティ事業本部長 田中順一氏、ウェルカムDEAN & DELUCA GROUP 執行役員グループ長 田中大資氏、アダストリア 代表取締役社長 木村治氏、ピーチ・ジョン 執行役員商品企画部長 伊吹ライラ氏、みんなの銀行 取締役頭取 永吉 健一氏、アダストリア 執行役員ビジネスプロデュース本部長 小林千晃氏、アダストリア 執行役員DX本部長兼デジタルソリューション本部長 櫻井裕也氏

2030年に流通総額1,000億円を目指す
旗艦店オープンでOMOの展開加速

「.ST」は「and ST」に名称を変更し、新たなプラットフォームに生まれ変わる。代表取締役社長 木村治氏は「より一層お客様との繋がりを強くしていきたい。そしてより一層、クライアント企業と繋がりを強くしていきたい。そして、いろんなモノ、コトを繋いでいく。そんな思いを込めました」と話す。また、アンドエスティをアダストリア子会社として設立し、12月1日よりアンドエスティ事業を吸収分割により、移管することを、同日開催の取締役会で決議した。グループとしても新たな価値を創造し、ファッショントータルプラットフォームとしての戦略を推進していく。木村氏は「2030年に流通総額1,000億円を大きな目標としながら、バリューチェーンを最大に活用し、プロデュースやさまざまなデータ群を活用し、そしてソリューション、ユーザーに向けてのサービスも次々と創造していく予定です」と説明する。

アダストリア 執行役員マーケティング本部長兼ドットエスティ事業本部長 田中順一氏は、モール&メディア事業について紹介した。.STの流通総額は2014年に80億円規模だったが、現在は400億円規模になっており、2030年に向けて次のフェーズに入るという。

アダストリアグループの強みであるリアル店舗や会員数を生かしたうえで、「商品カテゴリーの拡大、体験価値の向上の2つをこの1年でさらにアップデートしていきたいと思っています」と田中氏話す。商品カテゴリーの拡大として、and ST会員にアンケートをとっているが、同社以外のブランドや扱っていない商品を欲しいという声が多いという。そのため、商品カテゴリーの拡大に力を入れる。現在は17社、約20ブランドは他社の商品を取り扱っており、今後もさらに数を増やしていく。「ただモノを出店して終わりではなく、連携したライブ配信など、同社らしいシナジー創出にも力を入れる。

リアル店舗に関しては、五感で感じることができるため、今後も継続して成長させていく方針だ。.STは22店舗だが、and STストアに屋号を変えて拡大していく。加えて、旗艦店を作り、OMOの実験を行う。

dポイントと270万ID連携
トリプルポイントが貯まるサービスに

さらに、3つのポイントが貯まる取り組みも開始。現在、and STはNTTドコモのdポイントとID連携しており、270万IDを有する。「例えば、and STポイントと、dポイントと楽天ポイントが同時に貯まる使える、これを初めて実現していきたいなと思ってます」(田中氏)。また、ポイント連携することによりマーケティングデータも蓄積されるが、そのデータをクライアントに提供しながら一緒に事業を育てられる存在を目指す。

リアルとネットをつなぐOMO戦略を中心に起きつつ、商品カテゴリーの拡大、会員サービスの体験価値拡大に注力することで、さらなる魅力的なサービスにしていく。

来年の春にはセレクトショップ「DEAN & DELUCA (ディーンアンドデルーカ)」がand STに出店予定だ。ウェルカムDEAN & DELUCA GROUP 執行役員グループ長 田中大資氏は 「ライフスタイルの中で気軽に使ってもらいたいですが、プラットフォーマーとして衣食住の領域ですごく魅力的な拡充をされるということをお聞きしていますので、僕らにとってもその中で大きいビジネスチャンスがあり、お客様ともっとコミュニケーションできると思い、出店を決めました」と話す。また、インフルエンサーや動画を使ったアプローチができていないため、新たな価値を提供できるとした。

執行役員ビジネスプロデュース本部長 小林千晃氏は、プロデュース事業について説明した。アダストリアは約30ブランドがあり、青山学院、餃子の王将をはじめ、さまざまなプロデュースをしてきた。and STに出店するだけではなく、店舗や商品のプロデュースなど、価値を広げている。

ピーチ・ジョンはand STに出店しているがが、今後はスタッフを通して互いの商品をプロデュースするなど、販促も含めて協力することで、ビジネスを拡大させるという。ピーチ・ジョン 執行役員商品企画部長 伊吹ライラ氏は「ピーチ・ジョンのブランドを客観的に見ていただいてランジェリーだけじゃなく、もっと可能性があるということを100ページぐらいに及ぶ前資料でご提案いただきました」と話す。ピーチ・ジョンが創造するファッションについて企画から取り組み、10月30日から販売を行う予定だという。

ID/ポイントの他サイトでの利用見据える
みんなの銀行とお金/ポイントのやり取りを便利に

執行役員DX本部長兼デジタルソリューション本部長 櫻井裕也氏は、ソリューション事業について説明した。櫻井氏は「andSTというプラットフォームを、お客様、クライアント企業にとって圧倒的で魅力的なプラットフォームに進化させ、これをテクノロジーの力を使って実現していくというのが我々の事業のミッションです」と意気込む。

例えば、andSTのポイントを他社の店舗で使えたり、銀行口座の利用者の財布とandSTをつないで新しい経済圏を作っていくことだ。また、BtoBのつながり強化として、出店企業がさらに参加しやすく、魅力を感じてもらうこと、そこで得たデータを還元して、顧客のビジネスの成功につなげていくことを目指す。櫻井氏は「私達は今までにない経済圏というのを作っていきたいと考えています」と意気込む。貯めやすく、使いやすいポイントはもちろん、「貯める、増やすについて、いろいろなバリエーションを増やしていきます」(櫻井氏)。例えば、誰かにポイントをプレゼントしたり、応援するために使う。あるいはそれを現金に換えて、自身の生活で活用するなどだ。その実現に向けて、国内初のデジタルバンクであるみんなの銀行と協業する。

みんなの銀行は、デジタルネイティブ世代、Z世代が中心で、「アダストリア様やand STのユーザーの方とも非常に近しい世代で、世界観としてもマッチすると思います」とみんなの銀行 取締役頭取 永吉 健一氏は期待する。同社は金融機能やBaaS機能をさまざまな企業の裏側から提供することで、事業者を支援している。今回、利用者の口座・サイフをつなぐことで、より便利・お得にポイントを貯めてもらう世界を目指す。貯めたポイントを現金化するなど、使い方を広げる取り組みも次のステップとして描いている。さらに、その先の構想もすでに描いているそうだ。

お金の流れで目指す世界は?楽天ポイントと連携した理由
アダストリアの経済圏構築に向けた差別化のポイント

このコンテンツは会員限定(有料)となっております。
詳細はこちらのページからご覧下さい。

すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。

関連記事

ペイメントニュース最新情報

ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
決済領域を起点に多様なビジネスニーズに応える各種ソリューションを提供(インフキュリオン)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(ネットムーブ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP