トライアルが決済機能搭載のショッピングカート「Skip Cart」や顔認証決済を導入 顧客体験を向上させる小売りのDXを推進し、システムの外販にも注力

2025年3月14日8:00

大型店から小型店までバラエティに富んだ店舗を300 店以上展開しているトライアルカンパニーは、早くから小売りのIT 化に着目。決済機能搭載のショッピングカート「Skip Cart」や、AI カメラの開発などに力を入れ、システムの外販も行ってきた。「Skip Cart」は、トライアルグループ以外の店舗を含めて2024 年12 月末現在、245 店舗、2 万725 台稼働し、月間延べ約480 万人に利用されている。小型店向けにはNEC と連携して、顔認証決済の活用を推進している。2024 年9 月からは大型店にも顔認証決済の実証実験の場を拡大。トライアルグループ以外での展開も視野に入れている。

トライアルGO脇田店では、顔認証技術による決済サービスが利用できる

決済機能付きショッピングカート
「Skip Cart」は月480万人が利用

1974年に創業し、福岡県を本拠地として小型店から大型店まで地域に根付いたディスカウントストアを、300店舗以上展開するトライアルカンパニーでは、早くから小売りのIT化を推進。売場レイアウトの最適化を図ることを目的としたAIカメラや、決済機能付きショッピングカートなどの研究・開発を進めてきた。

同社が開発にかかわり、現在はRetail AIから提供されている、タブレットとスキャナを装着したスマートカートシステム「Skip Cart(スキップカート)」の使い方は以下の通りだ。あらかじめチャージを済ませた同社決済アプリ「SU-PAY(スーペイ)」のバーコード、もしくはプリペイドカードをスキャンし、購入する商品を、バーコードをスキャンしながらカートに入れていき、専用ゲートを通過してレシートを受け取ることによって決済が完了する。

「Skip Cart」には、現在カートに入っている商品の合計金額や、関連するおすすめ商品、利用できるクーポンなどが表示される便利な機能が搭載されている。また、うっかりスキャンし忘れた商品がカートに入ると、それを自動検知し、カートのタブレットにお知らせを表示する「スキャン漏れ防止機能」も付いている。決済にかかる時間が短縮されるため、店舗側にとっては、レジ待ちの列の解消、レジ人員の削減などの効果が期待できる。

「Skip Cart」は現在、トライアルグループ以外を含めて245店舗に、2万台を導入済み。月間延べ約480万人に利用されている。

「Skip Cart」は商品のスキャン漏れを知らせる機能や、お客様の属性や購買履歴などのデータを活用して、一人一人に最適な商品をAIが選択し、タブレット上でお勧めするレコメンド機能も搭載

小型店「TRIAL GO」に顔認証決済を導入
店舗オペレーションの効率化を実現

同社が展開する小型店「TRIAL GO」では、NECの技術を活用した顔認証決済の導入を進めている。まず2022年に「TRIAL GO」の1号店として福岡県宮若市にオープンした脇田店で、社員や市職員などの関係者約250人を対象に運用を開始。同年、福岡県内の日佐店においても、一般客を対象に顔認証による24時間決済を開始した。店頭のPOPやアプリ「SU-PAY」のお知らせ機能を使ってサービスを告知し、利用促進に努めている。

顔認証を利用するには、事前にSU-PAYアプリへの会員登録を完了させたうえで本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード)を用意し、氏名や生年月日、顔写真を登録する必要がある。商品購入時には、セルフレジで「顔認証決済」を選択すると、カメラが顔を認識して決済を行える仕組みだ。同社ではこの顔認証決済を、早々に「TRIAL GO」全店に広げたい考えだ。

「TRIAL GO」ではAIカメラを通して、売場の状況をリアルタイムで把握することによって、惣菜・弁当類などの商品の自動発注や自動値下げを実施している。店舗の人手による発注や値下げの作業はほぼなくなり、オペレーションの効率化が実現している。

NECおよび自治体との連携を強化
顔認証決済の普及を促進

同社では、NECや宮若市との連携を強化しながら、決済のみならず施設への入場管理などへ、顔認証技術の実証実験の場を広げている。2024年9月からは、同社がスーパーセンターと呼んでいる大型店3店舗を含む7店舗で、顔認証決済を可能にした。利用するにはまず「NEC顔認証サービス連携ポータル」で、運転免許証もしくはマイナンバーカードの情報を入力、顔写真を登録してから、トライアル決済サービスの登録を済ませる必要がある。この登録者数はすでに数千人を超えた。

トライアルカンパニーでは、実証実験の結果を、効率化と同時に、顧客および従業員の満足度向上の視点からも検証していく必要があるとしている。「お客様とのエンゲージメントの強化につながるという確証が得られた時点で、全店舗への導入を加速させていきたい」(Retail AI 執行役員 永井義秀氏)考えだ。また、グループ外の店舗でも顔認証決済が利用できるようになれば、さらに利便性が高まると考えている。顔認証決済ではPINコードを入力せずに支払いが完了するなど、決済のスピードアップにも努めているそうだ。

「決済・金融・流通サービスの強化書2025」より

関連記事

クレジットカードのおすすめランキング
調査・クリエイティブなどで豊富な実績

ペイメントニュース最新情報

Spayd スマートフォン、タブレットがクレジット決済端末に!(USEN FinTech)

国内最大級のクレジットカード情報データベース(アイティーナビ)

メタルカードのトップサプライヤーが提供する高意匠性のカード(KONAジャパン)

非対面業界唯一!!カード会社とダイレクト接続により、安心・安全・スピーディーで質の高い決済インフラサービスを提供。Eコマースの健全な発展に貢献する決済代行事業者(ソニーペイメントサービス)

「お金の流れを、もっと円(まる)く」決済ゲートウェイ事業のパイオニアとして、強固なシステムでキャッシュレス決済を次のステップへと推進します。(ネットスターズ)
ポータブル決済端末、オールインワン決済端末、スマート決済端末、新しい決済端末3製品をリリースしました(飛天ジャパン)

国内最大級の導入実績を誇る決済代行事業者(GMOペイメントゲートウェイ)

決済シーンにdelight(ワクワク感)を!PCI P2PE 認定国内実績 No.1の「確かな信頼」を提供します(ルミーズ)
電子マネー、クレジット、QR・バーコード、共通ポイントなど、多数のキャッシュレス決済サービスをワンストップで提供(トランザクション・メディア・ネットワークス)
ReD ShieldやSift等の不正検知サービスを提供し、お客様の不正対策を支援(スクデット)
BtoCもBtoBも。クレジットカード決済を導入するならSBIグループのゼウスへ。豊富な実績と高セキュリティなシステムで貴社をサポートいたします。(ゼウス)
TOPPANの決済ソリューションをご紹介(TOPPANデジタル)
多様な業界のニーズに対応した、さまざまなキャッシュレス・決済関連サービスを提供する総合決済プロバイダー(DGフィナンシャルテクノロジー)
決済業務の完全自動化を実現する「Appian」とクレジット基幹プラットフォームを合わせてご紹介!(エクサ)
チャージバック保証、不正検知・認証システムなどクレジットカード不正対策ソリューションを提供(アクル)
stera terminalでお店のポイントがつけられる「VALUE GATE」(トリニティ)

DNPキャッシュレス 決済プラットフォームをご紹介(大日本印刷)

PAGE TOP