2025年6月20日8:02
GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は、国内の決済サービスプロバイダ(PSP)として初めて、連結会社のGMOイプシロンが提供するスタートアップが成功するためのオンライン決済インフラ「fincode(フィンコード) byGMO」を、「MCP(Model Context Protocol)」に対応したと発表した。
これにより「fincode byGMO」は、AIエージェントとの連携が可能となり、AIとの自然な対話を通じて決済機能の実装や操作が行えるようになる。まずは、2025年6月19日より開発者評価版の提供を開始し、利用検証に協力してもらえる企業・開発者を募集する。
生成AIの技術進展により、業務や開発の現場でもAIを活用した支援ツールの導入が進んでいる。開発情報の取得・操作では、ドキュメント検索やコマンド・パラメーターを手動で操作する従来の手法から、自然言語でAIと対話しながら開発情報を得て活用する方法が広まりつつある。こうした環境では、AIエージェントが人間の言葉や意図を汲み取り、開発プロセス・処理を仲介する、新たな開発スタイルが注目されている。
このような潮流の中、GMO-PGでは、AIエージェントとの自然言語による対話を通じて決済機能を活用できる仕組みの開発を進めており、このほど国内のPSPとして初めて、「fincode byGMO」のMCP対応を実現した。「fincode byGMO」はこれまでも、シンプルなAPI設計や豊富なSDK、さまざまな決済手段を備え、成長企業のスピーディで柔軟かつ直感的な実装を支えてきたそうだ。今回のMCP対応を皮切りに、AIエージェント時代に最適な決済プラットフォームという位置づけを目指し、AI時代に適合した機能強化およびAIエージェント企業との連携を重ねていきたいとした。
具体的に、MCPとは、AIエージェントが外部サービスの仕様を理解し、適切なリクエストを生成・実行するための共通規格だ。今回のMCP対応では、「fincode byGMO」の組み込み・利用において、AIとの対話で開発ドキュメント検索やリダイレクト型決済URL作成を実現するという。
例えばAIに「決済システムに定期課金を実装したい」と入力すると、MCPサーバーが仕様書やAPIリファレンスを含む「fincode byGMO」の開発ドキュメントを高速検索し、JSON形式でツール定義をAIエージェントに返却する。これにより開発者は、利用する対話型AIエージェントのチャット画面から技術情報を得られ、そのまま開発に着手できる。開発者の開発負荷を最小化するとともに、さまざまな機能を持つ「fincode byGMO」の、最適かつ安全な組み込みの実現につながるそうだ。
さらに、「1,000円の決済URLを作って」と入力すると、AIエージェントが「fincode byGMO」のAPIを実行しリダイレクト型決済URLを即座に発行する。企業の営業担当や個人事業主といったノンエンジニアでも、日頃利用するAIとの対話の流れで直感的に決済機能を構築できるとした。
GMO-PGは、AI技術と決済インフラの融合を通じて、企業の成長とキャッシュレス社会の進展に貢献していきたいとした。引き続き国内外のAI関連企業との連携を強化し、追加機能のリリースや事業提携を順次発表予定だ。