2026年1月22日8:20
法人口座から決済、そして経理・資金繰りまで——。三井住友銀行が昨年5月に開始した法人向けデジタル総合金融サービス「Trunk」が、サービス開始から約8カ月で3万口座を突破した。1月19日には請求書読み取り・カード払い機能を追加。「まるで経理部長を雇ったかのような存在」を目指すという同サービスの現在地を追った。(金融・Fintechジャーナリスト 斎藤健二)
Trunk、3万口座突破の現状
Trunkは、三井住友銀行が2025年5月26日に提供を開始した法人向けデジタル総合金融サービスだ。インターネット申込とWeb面談による審査で最短翌営業日に口座開設が可能なこと、月額基本手数料無料のインターネットバンキング、業界最安値水準の他行宛振込手数料などを特長とする。
サービス開始から約8カ月となる12月末時点で、口座開設数は3万口座を突破した。三井住友銀行ホールセール統括部部付部長で法人デジタル企画室副室長の八幡重孝氏によれば、利用者の8割が創業5年以内のスタートアップ企業だという。「一方で創業から5年以上経過したお客様にも2割ご利用いただいている。法人口座のサブ口座として、あるいは振込がお得な法人口座として利用されるケースも増えてきている」と八幡氏は説明する。
利用者層は幅広い。高校生起業家が設立した法人から、創業100年を超える老舗企業まで、年齢や業種、地域にとらわれず全国の経営者が活用している。
新機能:請求書読み取り・カード払いの狙い
1月19日にリリースした新機能の中核は「請求書支払」機能だ。受領した請求書をアップロードまたはスマートフォンで撮影すると、振込先口座情報や請求金額、支払期日などを自動で読み取り、支払データを作成する。この読み取り機能は無償で提供される。
支払方法は「振込」と「カード払い」から選択できる。振込を選択した場合、Trunkのアプリ上で承認すると三井住友銀行のインターネットバンキングに接続。ワンタイムパスワード認証を経て振込が完了する。請求書の読み取りから振込実行まで、アプリを切り替えることなく処理できる。
カード払い機能の特徴は、送金先がカード加盟店でなくても利用できる点にある。「送金先がカードの加盟店になっていなくてもカードを使える。手数料は支払う側に負担いただく形になる」と八幡氏は説明する。受取側には通常の銀行振込として届く仕組みだ。カード払い機能はインフキュリオンが提供するサービスを活用している。
この機能の狙いについて八幡氏は「銀行のインターネットバンキングのアプリを開いて、その中で請求書の読み込みから支払いの予約、カード払いまでワンストップで利用できるのが強み」と語る。請求書系SaaSは多数存在するが、法人口座を起点に振込・カード払いまで完結できる点で差別化を図る。
カード払いを選択した場合、クレジットカードの支払日まで実質的に支払いを繰り延べられるため、1〜2カ月程度の資金繰り改善効果が見込める。リリースを記念して3月末まで、カード払い手数料を通常の3%から2%に優遇するキャンペーンも実施している。
ビジネスオーナーズ プラチナプリファードの投入
新機能のリリースに合わせ、三井住友カードは中小企業向け事業費決済カード「ビジネスオーナーズ」の新たな最上位カードとして「ビジネスオーナーズ プラチナプリファード」の提供を開始した。
ビジネスオーナーズは2021年に一般カードとゴールドカードの2券種でサービスを開始し、本年度中に会員数50万人に達する見込みだ。Trunk口座利用者の半数以上がビジネスオーナーズを利用しているという。
なぜ法人向けカードで高還元を打ち出したのか。三井住友カードビジネスマーケティング本部 BM事業開発部長 鳥谷雅志氏は「多くの事業者の方々にお話を伺う中で、高額な決済を利用される方が多いことがわかった。その中でポイント還元率が低いという不満の声もいただいていた」と背景を説明する。従来、法人カードは経費精算用途が中心で、ポイント還元は重視されてこなかった。しかし事業費決済の規模が大きい経営者ほど、還元率への関心が高い。こうした声に応え、個人向けで好評のプラチナプリファードと同様の高還元設計を法人向けにも導入した。
商品性は年会費3万3000円、基本還元率1%。利用継続により追加で1%、特約店利用で最大+9%のポイント還元となる。限度額は最大9999万円と、他社比較でも高水準に設定した。
今後の展開:AI-BPO、 フレキシブルファイナンスへ…
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