金融プラットフォーム「ラクスルバンク」で中小企業の見えないコスト打破へ BtoBの金融・決済で革命を起こす新たなサービスの投入を視野に

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2026年3月23日8:00

ラクスルの100%出資子会社であるラクスルバンクは、2025年11月27日から、中小企業向け金融プラットフォーム「ラクスルバンク」のサービスを正式に開始した。最短当日口座開設や119円と業界最安級の他行あて振込手数料、2.0%のポイント還元、強固なセキュリティ体制を兼ね備えた中小企業のためのバンキングサービスとして、BtoBの世界で革命を起こしたいとしている。

ラクスルバンク 代表取締役CEO 杉山賢氏

中小企業の「見えないコスト」打破へ
振込手数料は業界最安級の119円

ラクスルは、ネット印刷を中心に347万以上のユーザーがおり、110万以上の法人が使用している。また、カスタマイズ商品などを扱っており、企業の成長時に販促を行うなど、幅広い商品を扱っている。ラクスルバンクは、GMOあおぞらネット銀行のBaaS(Bank as a Service)基盤を活用したデジタルバンクだ。ラクスルバンク 代表取締役CEO 杉山賢氏は「BtoBのフルバンキングとしてはGMOあおぞらネット銀行としても初めてです。ラクスルのID基盤にのせている点でも先進的な取り組みです」と述べる。

「ラクスルバンク」の銀行サービスは、GMOあおぞらネット銀行からラ クスルバンクが銀行代理業の委託を受け、提供している

サービス開始のきっかけは、“中小企業の『見えないコスト』を打破”だ。ラクスルグループは、ネット印刷・集客「ラクスル」を中心に中小事業者向けのサービスを展開している。中小企業の売り上げに占める取引コストや資金管理のコストは高く、「BtoBにおける中小の金融サービスはユーザビリティやコスト競争力において改善の余地があります」と杉山氏は話す。個人の金融取引は、デジタル化が進み、手数料も下がっているが、BtoBは同社の調査でも使い勝手と手数料への不満の声が挙がっている。また、クレジットカードの利便性や還元率なども個人向けよりも見劣りしているそうだ。

中小企業BtoB取引コストは同社試算で3.5パーセントだが、それを半減させることを目指す。また、現在のサービス提供は銀行口座とデビットだが、ファクタリング、クレジットカード、後払いなど、資金繰りに寄与するようなサービスを含めて、中小企業の決済コストを低下させていきたいとした。今後は、請求書発行や受領の機能なども付加していく。杉山氏は「スモールビジネスが日々の事業によって金融のフルポテンシャルを享受していただきたいです」と意気込む。また、BtoB取引の特にECにおいて「流通x決済」の組み合わせは未発達であり、使いやすい金融がネットで提供されるのは自然な流れだとした。

ラクスルバンクは、中小企業のためのバンキングサービスで、最短当日に口座開設できる。本人確認もオンラインで完結でき、GMOあおぞらネット銀行の審査を経た口座開設後、すぐに振り込み・入金・残高照会・取引履歴のダウンロードが可能だ。他行あての振込手数料は119円を実現。また、最大2%のポイント還元、セキュリティ体制を兼ね備えている。杉山氏は「ほとんどの機能はラクスルのIDで体験可能です」と説明する。

まずは、ラクスルの顧客基盤を中心に会員に訴求しており、ラクスルユーザーにしっかりと使ってもらえる世界観を目指している。杉山氏は「現状のアクティブ率などを見ていますが、取引コストも低く、改善の余地はありますが、きわめて使いやすいUI/UXを心がけているため、中堅から中小のユーザーを中心に日々の振込や決済などに便利に活用していただいています」と述べる。中でも、業界最安水準の振込手数料により、振込が多い事業者の利用が目立つという。杉山氏は「取引コストにはこだわりました。一時的なキャンペーンではなく、恒常的にコストパフォーマンスが高いのが特徴です」と述べる。

ポイント2%還元を実現
3年で10万口座・預金残高1兆円へ

なお、他の金融機関との連携も検討したが、GMOあおぞらネット銀行を選択した理由として、「ラクスルのエコシステムと統合できる点で、最も思想が合ったからです」と杉山氏は経緯を述べる。ラクスルのID基盤を使ったバンキングをセキュアに提供でき、必要な機能をAPIにより連携可能だ。ラクスルでは、金融機能の拡張や新たなサービスを模索していくが、「伝統的な金融機関でバランスシートや与信をお持ちの企業とは連携できればと考えています」と杉山氏は話す。

将来的に、ラクスルバンクをメインバンクとして活用してもらいたい希望があるものの、まずは決済口座としての利用拡大を目指す。お金の流れがラクスルのプラットフォームを通っていくことが、企業に役に立つ口座につながるからだ。

また、入金額の範囲で利用できる「ラクスルバンクデビットカード」は発行手数料・年会費無料で、通常2%のポイントを進呈している。ラクスルは自社のeコマースであるため、ポイント還元で競争力を付けられる点が他社に比べての強みとなる。現在はラクスルに加え、広告費や仕入れなど、ラクスル外での日常的な利用も目立つという。

決済などで貯まったラクスルポイントはラクスル内の印刷・広告・ホームページ作成などに1ポイント=1円で利用可能だ。また、企業はラクスルバンクアプリ上で振り込みや決済など、リアルタイムに利用明細を確認でき、経費精算がスムーズに行えるとした。

今後はラクスルでお得に支払える機能を実装する予定だ。また、後払い、入金の前倒しなど、便利な支払い方法を追加していきたいとした。杉山氏は「中小企業向けのファイナンスの領域は解決できる課題が多く、他社とは異なるアプローチで打って出たいです」と含みを持たせた。

ラクスルは法人金融・決済革命を起こし、調達、集客、支払い、経営管理が便利になる世界を目指す。同社では、サービスの目標値を3年で10万口座・預金残高1兆円を掲げており、ラクスルグループの柱の事業の1つにしていく方針だ。

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