2026年6月1日8:00
昨年から今年にかけ、ポイントサービスを見直すEC企業が目立っている。使いやすいシンプルな制度への変更や、ポイント獲得につながる顧客接点の拡充、共通ポイント導入などで顧客囲い込みや購入単価アップを狙う。ユーザーのポイント活用は今後さらに広がるとみられ、企業にとって顧客の定着化や活性化が見込めるポイント施策は成長への重要ファクターと言えそうだ。
記事のポイント! ①ポイントの使い勝手向上に向けた取り組み加速 ②ファンケルはアクションスコアを導入しランクアップ頻度を短縮 ③「タカシマヤカード」は1円からの利用可能に ④しまむらはポイント制度変更で商品割引に使用可能 ⑤LINEヤフーは利用実績による会員ランク制度を導入 ⑥アンドエスティはポイントの汎用性で利用活性化 ⑦EC業界は従来型のポイント制度は顧客ニーズと乖離?
アクションスコア導入やランクアップ頻度短縮化に踏み切ったファンケル
ポイント制度は企業の都合でどうしても複雑になりがちなのに加え、ポイント蓄積やランクアップの達成にはかなりの期間が必要となる。使い勝手が良くないポイント制度の場合は、顧客離反を招く要因の一つにもなりかねない。そのような懸念や顧客サービスの観点から、従来型のポイント制度見直しに踏み切る企業が目立つ。
ファンケルは2025年4月から、ポイントやランクアップについて新たな会員サービス制度を導入した。従来の購入金額に応じたポイント付与に加え、公式アプリやメルマガの登録、口コミ投稿、LINE連携、置き配登録、容器回収、友達紹介など、同社とのつながりを具現化するさまざまなアクションでもスコアが貯まるようにした。
貯まったスコアに応じて6ランクのステージを設定し、ランクアップの頻度をこれまでの「年1回」から「月1回」へと変更。スコアさえ基準を超えれば、翌月からのステージアップも可能となる。「なかなかステージが上がらない」という顧客の声に対応して変更したもので、モチベーションアップやLTV向上を目指す。これらの施策には、バースデーポイントなど時流に合わないサービスの削減によるコストを置き換えて投入した。

1ポイント(1円)単位での利用に改善した高島屋
高島屋は2025年4月にポイント制度を大幅にリニューアルし、それまで2,000ポイント単位でしか利用できなかった「タカシマヤカード」のポイントを1ポイント(1円分)単位で利用できるようにした。店舗だけでなく、高島屋オンラインストアなどでも各種クレジットカードやデビットカードのポイントを1ポイント単位で使える。1996年にポイント制度を導入したカードを初めて発行してから2,000ポイント単位で運用してきたが、顧客から不満の声もあがっていたという。
一方で、サービスが低下した部分もある。クレジットカードと現金・商品券などを併用した場合、リニューアル後はクレジットカード決済分のみにポイントがつき、現金・商品券・利用ポイントには付与されなくなった。百貨店は商品券の利用も多いため、不満に感じる顧客も一定数いる可能性がある。
商品割引に利用できるように見直したしまむら
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