三井住友カードがデジタルイノベーションオフィスでのプロダクト開発を”手の内化”する理由とは?(Red Hat)

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2026年7月9日8:00

エンタープライズ向けのオープンソース・ソフトウェアソリューションを提供するRed Hatは、2026年7月1日にAIネイティブ時代への対応とプラットフォーム戦略についての記者説明会を開催した。当日は、三井住友カード 常務執行役員 CTO デジタルイノベーションオフィス 本部長 兼 デジタルシステム開発部 共管 中川 陽介氏が登壇し、サービスの活用事例について語った。

左からJALデジタル デジタルデリバリー部 デリバリー戦略グループ 統括グループ長 磯崎 洋幸氏、レッドハット 代表取締役社長 三浦 美穂氏、三井住友カード 常務執行役員 CTO デジタルイノベーションオフィス 本部長 兼 デジタルシステム開発部 共管 中川 陽介氏

Red Hatはプラットフォームへの変革を支援 JALデジタルはシステムリリースを最短30分に短縮

Red Hatはグローバルで12.9%の売上高増を達成しており、毎年2桁成長を続けている。AIやクラウドの流れに乗じて、大きく成長しているそうだ。中でも「Red Hat OpenShift」が伸び盛りの製品群になっている。仮想化やコンテナ技術のためのプラットフォームを提供しているが、利用率は前年比41.7%増を記録した。また、「Red Hat Ansible Automation Platform」「Red Hat AI」も成長しているそうだ。同社では人が管理するIT基盤からAIと共創するプラットフォームへの変革を支援している。具体的には、プラットフォームの手の内化、AIと共創する開発体験、信頼のあるAI実行基盤を提供しているそうだ。

具体的な事例としてJALデジタル デジタルデリバリー部 デリバリー戦略グループ 統括グループ長 磯崎 洋幸氏が登壇。JALグループの同社では、サービスを提供するまで165日のリードタイム、待ち時間を除いた純粋な作業時間で385時間、40種類の申請書が必要だった。そこで、PFE(プラットフォーム・エンジニアリング)を実施。

Alexaのプラットフォーム製品を中核としたIP開発ポータルを構築した。つ散らばっていた40種類以上の社内文書のマークダウン化と一元集約、いわゆるチェックボックス化を実施。また、社内で安全に主採用できる標準テンプレートの仕組みを整備。開発者がRed Hat OpenShift Service on AWS (ROSA)とRed Hat Developer Hubを利用し、データベースを含めたアプリケーション基盤をセルフサービスで自動払い出ししている。さらに、これらを現場に定着させるための全社的な基本機能を提供している。この結果、最低限のシステムリリースまでの環境整備のリードタイムは、従来165日から最短30分と劇的に短縮した。

三井住友カードはAIを前提とした事業変革へ デジタルプロダクトの迅速な開発をDIOが担う

また、三井住友カード 常務執行役員 CTO デジタルイノベーションオフィス 本部長 兼 デジタルシステム開発部 共管 中川 陽介氏が同社のテックカンパニーとしての取り組みについて紹介した。テックカンパニーに向けて重要なのは、外部の力を借りるのではなく、自身の手の内に置いていくことだという。

三井住友カードは、SMBCグループで決済を担う会社だ。2024年度の会員は3,900万人、総取扱高は59兆円となっている。国内外で使える日本初のVisaカードの発行をはじめ、日本初の銀聯カードの発行、事業者向け決済プラットフォーム「stera」、公共交通機関向けソリューション「stera transit」を提供している。イシュイングでは、ナンバーレスカードや個人向け総合金融サービス「Olive」の展開など、「新しい決済の形を積み重ねてきたと自負しています」と中川氏は話す。

経済産業省の発表によると、国内のキャッシュレス決済比率は2025年で約58%となった。そのうち約8割がクレジットカード決済となっている。SMBCグループとしては、2029年までの3か年で生成AIの活用に1,000億円の投資をするなど、AIを前提とした事業の変革を掲げている。その中で、三井住友カードは決済の中核を担っているそうだ。

「なんで手の内化なのかというところなんですけども、論理はかなりシンプルです。企業を伸ばそうと思うと、ソフトウェアを早く、安全に出し続ける力が必要になります」(中川氏)。これは、大手コンサルティング会社の研究でも後から業績そのものに直結すると言われている。開発の多くを外部に委ねていると、判断や知識、責任が社内に残りにくくなるため、手の内に置くことが重要になる。中川氏は「技術試験を手の中に持ちましょうということ、知識を資産としてちゃんと使いましょうということ、下流の話でいうとコードのオーナーシップを自分たちの手の中に取り戻すことが重要であり、我々はこれを手の内化と呼んでおります」と説明する。

現在、芸術の中心はオープンに開かれており、すべてがソフトウェアで動いていくという世の中であるため、「主導権を持っていくことは、大事な時代になっているかなと思っております」と中川氏は話す。

2025年にAIやクラウドを活用したデジタルプロダクトの迅速な開発を目的として「デジタルイノベーションオフィス(DIO)」を新設した。CTO直下のエンジニアリングの専門家が集まった独立した組織だ。その背景には、開発の多くを外部に委ねてしまっていたため、アイデアが出てから世の中に届けるためのリードタイムが長くなってしまっていた。それを自社が主軸、主体者となってプロダクトを動かす形に変えていくため、ソフトウェア、プラットフォーム、データの専門性を担っている組織となっている。

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