2026年10月8日8:24(JST)
【日本】三井住友銀行、SBI証券、大和証券、SBI R3 Japan、大阪デジタルエクスチェンジ(大阪)、BOOSTRY、Progmat、Datachain、およびSBI VCトレードは、2025年8月22日に開始を公表したセキュリティトークン(以下ST」)のセカンダリーマーケット(二次流通市場)取引におけるステーブルコイン(電子決済手段、以下「SC」)を活用したDvP 決済にかかる実証プロジェクト「Project Trinity」におけるフェーズ1(業務要件定義と次フェーズ計画策定)およびフェーズ2(業務運用検証)の実証が完了したと発表した。

現行のセカンダリーマーケットにおけるST売買取引では、証券会社間の資金決済とSTの受渡しが必ずしも同時に行われておらず、いわゆる非DvP決済となっている。その結果、取引当事者間には片履行による「元本リスク」が存在しており、安全な大口取引や市場のさらなる拡大を阻む構造的な制約となっていたそうだ。
こうした中、2023年施行の改正資金決済法に基づき、法定通貨と連動するSCの発行が現実に可能となった。関係8社は、このSCが持つブロックチェーン上での即時価値移転機能に着目し、ブロックチェーン上のスマートコントラクトを活用して、STの引渡しとSCの支払いを同時に行う「DvP決済」の検証を進めてきた。同プロジェクトは、元本リスクの構造的な排除と決済の効率化を実現し、日本のデジタル証券市場における安全かつ高度な金融決済インフラを構築するための先駆的な取り組みとなる。
同プロジェクトは、将来的な「あるべき姿」として約定後即時グロス決済を見据えつつ、数年以内に実現可能な現実解として「証券会社間におけるSCを活用したT+2のDvP決済」を「目指す姿」に定義し、その社会実装を段階的に進めるため、2つのフェーズを設けて実証を推進してきた。これまでにフェーズ1およびフェーズ2を計画通りに完了している。
フェーズ1は、業務要件定義と次フェーズ計画策定(2025年8月~2026年3月)となる。同取り組みでは、現状と目指す姿とのギャップをオペレーション、システム、法制度の観点から整理し、フェーズ2における具体的な業務運用検証の計画、開発要件について関係者間で合意した。また合意した業務運用検証の計画、目指す姿を基に、専門の弁護士協力のもと、関係当局へ法対応にかかる照会を行った。
フェーズ2は、業務運用検証(2026年4月~2026年9月)となる。同取り組みでは、フェーズ1で策定した計画を具現化し、SBI証券と大和証券の間において、同検証の利用に限り実発行したSTとSCを用いたDvP決済の業務運用検証を実施した。
具体的には、SBI VCトレードが発行した「自己私募ST社債」を用い、大阪デジタルエクスチェンジが運営するSTART市場での取引を想定したSBI証券と大和証券の間の2つの自己のST譲渡取引において、三井住友銀行が発行する第3号電子決済手段(特定信託受益権型SC)を決済手段として、DvP決済を行った。同検証において、ST基盤および社債原簿管理サービスはProgmat、異なるブロックチェーン上のST・SC間クロスチェーン技術はProgmatとDatachainが共同で提供し、SC基盤はTISIとFireblocks Pte. Ltd.協力のもと、三井住友銀行が提供した。
SBI証券、大和証券、三井住友銀行、大阪デジタルエクスチェンジ は、検証用に作成したDvP決済のタイムラインと手順書に基づき、SC購入・償還、ST譲渡取引にかかるDvP決済、SC不足時や照合不一致時の対応にかかる検証サイクルを実施し、同検証で設定したシナリオおよびタイムラインの範囲において、期待通りの結果を確認した。
フェーズ1およびフェーズ2にわたる一連のプロセスを通じて、証券会社間におけるSTとSCのT+2/DvP決済は、法務面・技術面・業務運用面においてその実現可能性を一定程度確認できたという。
また、複数取引、複数ST基盤、複数決済手段、DvP/非DvP混在を想定した「目指す姿」に向けては、決済時限内での安定的な運用を可能とする体制の整備や業務アプリケーションの高度化等、実務面で取り組むべき課題を整理した。
関係8社は、今回の検証で得られた知見および明らかとなった課題を踏まえ、今後の制度・市場インフラの整備動向や、業者間決済に適したデジタル通貨の発展状況を注視しながら、今後の対応を検討するそうだ。(paymentnavi 編集チーム)














