2011年10月13日8:00
大日本印刷と共同でNFC対応の携帯電話を用いた実証実験を開始
福井県のPLANTなど国内と海外のPayPass加盟店で読み取りテストを実施
クレジットカード会社のジャックスでは、大日本印刷と共同で、NFC対応の携帯電話を用いて、国際標準規格ISO/IEC14443 TypeA/Bに準拠した非接触型IC技術に関する実証実験を、2011年9月22日から行っている。実験開始の経緯と今後の展開についてジャックスに話を聞いた。
福井県のPLANTに2006年からPayPass決済を導入
KDDIのNFC対応携帯電話を活用
ジャックスでは、2006年11月から、MasterCardの非接触型IC決済サービスである「PayPass」を福井県のスーパーマーケット「PLANT」との提携により提供している。同社でも国際標準に準拠したType A/Bベースの決済はかねてから注目していたが、「NFCが普及する環境が徐々に整ってきましたので、発行や運用周りのデータを採取して商用発行につなげていく目的で実証実験を開始しました」とジャックス 営業戦略本部 カード企画部 カードネットワーク課 課長 外海幹彦氏は説明する。
今回の実証実験では、KDDIが昨年度に実証実験で開発したNFC対応携帯電話を活用し、MasterCard PayPassアプリをUIMカード上に搭載して、本番環境における処理動作の検証および利用面・運用面の検証を行っている。携帯電話はスマートフォンではなく、従来の携帯電話を使用している。
ジャックスと大日本印刷では、クレジットカードの発行などでかねてから深い関係にある。DNPはNFC対応携帯電話に搭載するアプリへのデータ書き込みを行うPayPassパーソナライズシステムを提供している。今回は、スマートフォンにマグストライプの情報を書き込み、PayPassリーダで読み取りテストを行った。
「弊社との提携カードを発行するPLANTでは、5年間の取り組みの中で、EMVの接触ICカードの場合は約4割の稼働ですが、PayPassは5割以上の稼働がありました。PLANTの担当役員も海外の状況を把握しており、日本でも早く国際基準の決済が普及してほしいとの考えを持っています」(ジャックス カード企画部 カードネットワーク課 スタッフマネジャー 佐藤友彦氏)