「新しい決済の可能性を探る」事例1 トラベレックスジャパン

 

2010年6月2日  02:15

トラベルプリペイドカード「MasterCardキャッシュパスポート」を発行
国内初、資金移動業者に登録し送金サービスも視野に

外貨両替会社のトラベレックスジャパンは、アジア圏のATM、加盟店での決済に利用できる「銀聯キャッシュパスポート」「上海トラベルカード」を発行している。4月1日からは日本で初めてMasterCardブランドを付帯したトラベルプリペイドカード「MasterCardキャッシュパスポート」の発売を開始した。同カードの狙いについて、カード事業部 シニアマネージャー/キャッシュパスポートの桐山博文氏に説明してもらった。

ATM専用のVisaキャッシュパスポートを廃止

MasterCardに移行後は入金額が1.5倍に

「弊社では2004年からVisaブランドのATMキャッシュパスポートを発行していましたが、ATM専用であり、海外の加盟店で利用することができませんでした。MasterCardキャッシュパスポートの発行により、海外210カ国のMasterCard加盟店でカード決済が可能になり、海外渡航者の利便性が格段に上昇しました」(トラベレックスジャパン カード事業部 シニアマネージャー/キャッシュパスポート 桐山博文氏)

同カードは海外渡航者向けに英国ポンド、ユーロ、日本円、米国ドル、豪ドルの5 種類の通貨が用意されている。入金額の上限は100万円で海外のオンラインショッピングサイトでも利用可能だ。

「例えば、留学生の親御さんが息子にカードを持たせた場合、クレジットカードの場合は使いすぎてしまう心配があります。その点、プリペイドカードならば、カード残高の範囲内で利用するため安心感が得られます。またクレジットカードのキャッシング枠は年々縮小されており、今後は総量規制の問題も出てきていますので、基本的に誰でもカードを持つことができるプリペイドのニーズは広がっていくと思います」(桐山氏)

新カード発行の成果は早速、数字にも表れており、「Visaのときは月平均で10万円の入金額でしたがMasterCardになってからは1.5倍までチャージ額が伸びています。もちろん、留学生向けのカードの場合はさらに高い入金額になっています」と桐山氏は説明する。ATMだけではなくMasterCard加盟店での利用も多いという。

外貨両替に比べ安全性、利便性に優れる

今後は法人カードの発行も視野に

キャッシュパスポートの魅力として、銀聯キャッシュパスポートや、外貨建てキャッシュパスポートなどのラインナップが豊富な点が挙げられる。銀聯キャッシュパスポートは中国での利便性が非常に高く、外貨建てキャッシュパスポートは事前にレートが固定できるため、現地通貨で表示された金額を確実に日本円に換算し、把握することができる。

「外貨両替に比べ安全性、利便性に優れています。通常、中国元を現金に両替した場合は15~20%ほどの手数料がかかりますが、銀聯キャッシュパスポートならば為替手数料は4%ですので、お得です。外貨建てキャッシュパスポートの例ですと、ポンドの場合その日のレートにもよりますが、現金両替レートよりも6円くらいお得になっています」(桐山氏)

ターゲットは留学生、旅行者、出張など、海外を訪れる渡航者全般になるが、今後は法人向けのカードも発行していきたいとのことだ。5月12日からは、セブン銀行と提携し、キャッシュパスポートのオンライン販売も開始している。

なお、キャッシュパスポートの国内での利用に関しては、現状は予定していない。

資金決済法の施行に向けいち早く対応

国際ブランドの送金サービスを国内で展開?

また同社では4 月1 日に施行された資金決済に関する法律(資金決済法)で最初の資金移動業者として登録している。「サーバ管理型のプリペイドカードは前払式証票の対象外でしたが、4月1日より資金移動業の登録をしないと事業継続ができないということでしたので、資金移動業登録の対応を最優先で行いました。資金移動業登録は既存のビジネスの継続という観点から急務でしたが、新規ビジネスの展開という観点でも当社にとっては必要でした」(桐山氏)

資金決済法では、これまで銀行のみに認められていた為替取引(送金サービス)をそれ以外の事業者が行うことも認められたが、トラベレックスジャパンでは今後、国際ペイメントブランドのインフラを活用した送金サービスを行うことも検討している。同社のオーストラリアの拠点ではすでに国際ブランドの送金サービスを行っており、ノウハウは蓄積されている。そのため、本人確認方法などの課題が解決でき次第、サービスを開始する方針だ。また、海外渡航者限定のプリペイドギフトカードの発行も視野に入れているという。

 

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