クーポン販売総数1,000万枚を突破した「GROUPON」の戦略は?(グルーポン・ジャパン)

2012年5月15日8:00

クーポン販売総数1,000万枚を突破した「GROUPON」の戦略は?
質の高いクーポンにこだわり、ユーザーの満足度向上に力を入れる

グルーポン・ジャパンは、購入者が50%以上の割引クーポンを取得できる「共同購入」型のクーポンサイト「GROUPON(グルーポン)」を運営している。2012年3月には、1年9カ月というスピードで、クーポン販売総数1,000万枚を達成。同社では、クーポンの質とユーザー満足度を高めることに重点を置いてサービスを展開している。

グルーポン・ジャパン

海外で成功している事例を国内でいち早く共有

掲載の審査を厳しく設定し、成約率は2割程度

共同購入型のクーポンサイトビジネスは、米国・グルーポン社が2008年11月に創業して以降、世界各国で急速に成長し、国内でも「Online to Offline(O2O)」ビジネスの先駆けとして注目された。現在、グルーポンは、世界47カ国でサービスを展開。1億4,000万人以上がサービスを利用しており、創業から約2年で1,000億円の売上を達成している。国内では2010年7月からサービスを開始。2012年3月には、累計販売総数1,000万枚を達成している。

購入者が50%以上の割引クーポンを取得できる「共同購入」型のクーポンサイト「GROUPON(グルーポン)」のWebサイト

同社が国内でサービスを展開する上での強みとしては、世界各国との情報共有が挙げられる。グルーポン・ジャパン 経営企画室 広報・渉外グループ マネージャー 村松康孝氏は、「グルーポンでは、世界各国でビジネスを展開しているため、成功している事例を共有できる点が他社との差別化要因として挙げられます」と説明する。例えば、当社のパートナー企業の1社は、海外で成功した事例を基に国内でもいち早く低反発のマットレスを販売し、累計1万3,000枚を売り上げた。

グルーポン・ジャパンの戦略としては、「ただ単に掲載企業数を増やすのではなく、質の高い商品・サービスにこだわっています」と村松氏は話す。同社では、短期的に売り上げを伸ばす戦略ではなく、中長期的なスパンで収益を確保する戦略をとっている。

実際、同社には数多くの掲載申し込みがあるが、「審査基準を厳しく設けているため、ホームページからのお問い合わせ件数に対する、クーポンの掲載成約率は20%ほど」となっている。審査体制に関わる人数も2011年1月頃と比較すると、約2倍に増員。クーポンの質を徹底し、より良いサービスの提供を目指している。またパートナーからの満足度も高く「リピート掲載率は、1年程前と比較すると、3~4倍に増えています」と村松氏は成果を口にする。

グルーポンでは、クーポン掲載後にユーザーアンケートを実施しており、その結果を各掲載企業にフィードバックすることで、次回以降の掲載時によりよい成果が表れるように、一緒になって考えている。掲載企業にとっても、顧客対応など、戦略立てて行うことにより、効果も変わってくるという。

「例えば、クーポンを利用して来店した新規のお客様にポイントカードを用意して、リピート利用を促すことも必要です。また、全体的な傾向として、クーポン販売直後と有効期限直前の利用が多くなっており、その対応についての事前準備も行わなければなりません」(村松氏)

KDDIなど大規模な会員組織からの送客を強化

時間限定のクーポン「Groupon Now!」を原宿・渋谷で展開

現在、国内のクーポン購入者の中心は、20代、30代の女性となっている。また、単価が高い商品については、高齢層の利用が多くなるそうだ。

グルーポン・ジャパン 経営企画室 広報・渉外グループ マネージャー 村松康孝氏

決済手段としては、クレジットカード、Yahoo!ウォレット、Mobile Edy、BitCash、永久不滅ポイント(永久不滅ウォレット)、PayPal、auポイント支払い、auかんたん決済、まとめてau支払い、S!まとめて支払いが利用できる。そのうち、よく利用されているのがクレジットカードとなっている。また2012年3月8日からは、シティカードジャパンのクレジットカード「ダイナースクラブカード」の取り扱いを開始している。

会員組織を持つ外部企業との連携も積極的に行っている。KDDIのユーザーは、2012年3月1日から、「auポイントプログラム」で貯めた「auポイント」を使い、グルーポンでクーポンの購入が可能となった。また、通常auポイントはKDDIのキャリア決済サービスであるauかんたん決済、まとめてau支払いでの買い物の際に付与しているが、グルーポンのクーポンを購入すると、auポイントでの支払いの場合でもその額に応じてauポイントの付与を行っている。これにより利用者は、auの利用で貯まったauポイントでクーポンの購入が可能になり、また購入額に応じたポイントが付与されることにより、サービスの利便性がさらに高まるという。さらに、月々390円でアプリが取り放題となる「auスマートパス」でもグルーポンの紹介を行っている。

また、リアルネットワークスが運営、提供する無料動画サイト「RealGuide(リアルガイド)」および、動画をダウンロード・再生・編集・変換できるマルチメディアソフトウェア「RealPlayer(リアルプレーヤー)」の顧客向けにグルーポンのクーポン紹介サイト「リアルクーポン」を開設した。

「KDDIやリアルネットワークスとの連携により、これまでアプローチできていなかったユーザーに効果的な訴求が可能となります。他にもベネフィット・ワンやクレディセゾンなどとも連携し、サービスを提供しています」(村松氏)

また、購入してすぐに利用できる時間限定のクーポンサービス「Groupon Now!(グルーポンナウ!)」を渋谷・原宿限定でスタート。これは2011年5月から米国・グルーポン社が提供しているサービスで、店舗が集客したい時間にリアルタイムにクーポンを配信することが可能だ。利用者は、スマートフォンや従来の携帯電話、PCを利用して、周辺の店舗を検索することができる。

高級商品・サービスの取り扱いをさらに強化

クーポン共同購入サイトの市場はまだまだ拡大?

同社では今後、グルーポンならではの高級商品・サービスの取り扱いをさらに強化していく方針だ。海外のグルーポンでは、米国では「Groupon Reserve」、欧州では「Groupon Premium」という高級路線のサービスを行い、大きな実績を上げているという。両サイトは、グルーポンの会員に対する招待制のサービスとなり、利用者の過去の取引情報を参考にメールを通じてサービスを提供している。具体的には、厳選された良質なレストランやホテルを提供することで、会員によりハイグレードな体験をしてもらうことが目的となる。

ある調査データによると、国内でもクーポン共同購入サイトの市場は拡大しているが、米国と比較するとまだ6倍の開きがあるという。グルーポンのサイト自体、認知していない人も多く、「市場はまだまだ拡大すると考えています」と村松氏は期待する。同氏は最後に、「クーポンの質とユーザー満足度を高めることに重点を置いて取り組みを進めていきたい」(村松氏)と今後の目標を語った。

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