「ふるさと納税ポイント付与禁止は営業の自由を過剰に制限」 楽天が総務省の告示無効確認を求め行政訴訟を提起

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2025年7月11日8:00

楽天グループは7月10日、記者会見を開き、総務省が2024年6月28日に行ったふるさと納税の指定に係る基準について定めた告示の改正などで、25年10月からポイント付与を禁止することを明示したことが、ポータルサイト事業者への過剰な規制を課すものであるなどとして、この告示が無効であることの確認を求める行政訴訟を東京地裁に提起したと発表した。

楽天グループ代表取締役副社長執行役員の百野研太郎氏(中央)、専務執行役員コマース&マーケティングカンパニープレジデントの松村亮氏(右)、執行役員渉外統括部ディレクターの関聡司氏

「ポイントは日本のインフラで、
国会議論なしに禁止するのはおかしい」

記者会見には、楽天グループ代表取締役副社長執行役員の百野研太郎氏と、専務執行役員コマース&マーケティングカンパニープレジデントの松村亮氏、執行役員渉外統括部ディレクターの関聡司氏が出席した。

百野氏は「ポイントは日本のインフラになっており、お客様だけではなく、一般社会で使われています。それを、国会の議論や法改正もせずに禁止するのはおかしいのではないかと個人的に思います」と述べた。

百野氏

総務省が昨年6月に公表した告示改正内容では、ポイント付与に関する改正の背景として、「ポータルサイト等による寄附に伴うポイント付与に係る競争が過熱している」ことを挙げている。これに対し、百野氏は「今、地方創生の重要性が叫ばれている中で、楽天グループは様々な貢献をしてきました。競争過熱を抑えるためなら、ポイント付与を全面禁止するのではなく、付与上限を設けるなど他の方法があります。日本創生のため、消費者のために、ふるさと納税の活性化をさせていただきたいです」と述べた。

楽天グループは2024年6月28日の告示改正が発出されたことに対し、すぐさま反対を表明し、インターネットでの署名活動の受付を開始した。その中で、ポイント付与の禁止が「地方自治体と民間の協力、連携体制を否定するもの」であり、「各地域の自律的努力を無力化するもの」であるとした。さらに、「地方の活性化という政府の方針にも大きく矛盾している」とした。そして、2025年3月18日には、集まった295万2,819件(25年3月16日時点)の署名を代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏から、石破茂内閣総理大臣に提出している。

「地方税法の委任の範囲を超えた過剰な規制、
総務大臣の裁量権の逸脱」

総務省告示の無効確認請求等についての楽天側の主張は、総務省による告示が、「実質的にポータルサイト事業者に対して、ふるさと納税寄附者へのポイント付与を禁止するものである」とした。さらに、「ポイント付与競争の過熱化がもしあったとしても、付与上限を設ければ十分であり、一律に全面禁止する必要性はない」との考えを示している。

また、「10年以上にわたりふるさと納税の募集が行われてきたポータルサイトの運営方法の再構築を迫るものであり、憲法22条1項が定める営業の自由に由来するポータルサイト事業者の運営方法を過剰に規制するものである」とした。

このほか、「ふるさと納税制度の根拠となる地方税法が総務大臣に委任しているのは寄附の募集方法であり、国民の権利義務に制約を課すことまでは委任されていない」としたうえで、「本来ポイント付与規制については、国会での議論を踏まえた地方税法の改正など法令によって定められるべきであったにもかかわらず、国会でポイント付与規制の是非や方法、内容について議論がされず、法令による具体的根拠がないまま告示が定められた」と指摘している。

そして、総務省の告示のポイント付与規制にかかる部分は、「地方税法の委任の範囲を超えてポータルサイト事業者へ過剰な規制を課すもので、総務大臣の裁量権の範囲を逸脱し、またはこれを乱用したものであって違法であることから、無効である」とした。

関氏は「この1年間、ポイント付与禁止の撤回への動きはなく、25年6月28日には、総務省がふるさと納税の指定基準の見直し等を公表しましたが、ポイント付与禁止には触れず、予定通り今年10月から実施される見通しとなったため、このタイミングで提訴に踏み切りました」と話した。

関氏

「楽天ふるさと納税の仕組みは、
官民間の適切な連携モデル」

松村氏

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