リチャージ式プリペイドカード「MOS CARD」でリピーターの確保を狙う(モスフードサービス)

2012年9月6日8:00

リチャージ式プリペイドカード「MOS CARD」でリピーターの確保を狙う
プロモーションのツールやギフトとして積極的に活用へ

モスバーガーを展開するモスフードサービスは、サーバ管理型のリチャージ式プリペイドカード「MOS CARD(モスカード)」を、2012年4月24日から、全国のモスバーガー店舗で導入している。同社ではモスカードにより、顧客の利便性向上とリピーターの確保に力を入れている。

利便性+アルファのサービスを展開へ

開始から1年間はチャージ金額に応じたポイントを付与

モスカードは、発行手数料無料で、全国のモスバーガー店舗のレジで繰り返し支払いや入金が可能なプリペイドカードである。モスバーガー全店(一部店舗除く)で販売しているすべての商品を購入することが可能だ。また、「モスカード用封筒」も用意しており、家族や友人への気軽なプレゼントとしても利用できる。

左からモスカードとモスカード用封筒(上は表面、下は中面)

同社では、数年前から顧客の利便性を高める目的として、プリペイドカードの発行を検討していた。モスフードサービス マーケティング室 齊藤雅久氏は、「モスバーガーでは、ヘビーユーザー、ミドルユーザーのお客様が多く、『モスカード』により利便性とプラスアルファのサービスを提供したいと考えています。また、お友達にカードをプレゼントするなど、CtoCの領域や今後、優待券などの機能を提供することも可能になります」と発行の経緯を説明する。

会員カードの導入に向けては、大手ポイントカードとの連携も検討したが、自社カードにより、本当のファンを獲得したいと考え、モスカードの発行に至った。

モスカードは、入金額初回のみ、1,000円以上のチャージが必要となる。2回目以降は、500円単位で合計3万円まで入金が可能だ。同社では、2012年4月24日~2013年3月31日までの期間、モスカード導入の初年度特典として、1回の入金額が1,000円~3,000円未満で2%、3,000 円~5,000円未満で4%、5,000円以上で6%のボーナスポイントを付与している。

「多くの方にカードを持っていただき、便利にご利用いただくことを実感してもらうため、チャージ金額に応じて入金ポイントを付与する形を採用しました。まずは、1年間の導入になりますが、一度に1万円以上をご入金される方も多く、お客様にも喜ばれていますので、利用動向を分析し、新たな取り組みを考えていきたいです」(齊藤氏)

カード会員は約2回の来店を誇る

限定カードの発行も積極的に展開

なお、利用者の最終利用日から3年間、モスカードでの支払い・入金が無い場合、残高の有無に関わらずチャージ金額は無効となる。有効期限はやや長めに設定している。

齊藤氏は、「導入直後ですが、キャンペーンの効果測定の調査をしています。毎月平均約2回は来店いただいている感触をつかんでいます」と成果を口にする。

また、ギフト用途として購入された履歴については把握できないが、最近では店員に対し、プレゼントとしての質問が寄せられる機会も増えているそうだ。

同社では、店内にPOPを掲出し、モスカードの普及に努めている。また、PCやモバイルサイトでも積極的に告知している。キャンペーンとの連動としては、7月3日~8月19日まで、計2,000円以上の購入でモスバーガー、テリヤキバーガー、モス野菜バーガーを無料でプレゼントするキャンペーンを実施したが、ダブルチャンスとして5,000円のプリペイドカードが抽選で当たる取り組みも行った。今後も季節に応じたイベントを展開するともに、限定デザインのカードも発行する予定だ。

240万人のモバイル会員との連携を検討

先行する台湾では20%以上の利用率を誇る

モスバーガーでは、携帯電話やスマートフォンの会員サイト「モスバーガー モバイル」を2008年から運用しており、すでに240万人の会員を有している。モバイル会員には、携帯クーポンの提供、新商品の紹介などを行うことにより、再来店を促している。すでに、モスカードとモバイル会員との連動についても検討している。

モスカードの本格導入から約4カ月が経過したが、同社ではプリペイド型電子マネーへのニーズは相当見込めるという感触を早くもつかんでいる。齋藤氏は、「台湾のモスバーガーでは2年前から先行してプリペイドカードのサービスを展開していますが、20%以上の決済で利用されています。国内でもプリペイドカードを展開する同業他社は多いですが、いち早く追いつき、台湾を超える利用を目指していきたいです」と自信を持って語った。

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